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孝明天皇と「一会桑」―幕末・維新の新視点 (文春新書)

価格: ¥735
カテゴリ: 新書
ブランド: 文藝春秋
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薩長vs一会桑の「倒幕」をめぐるゲーム!? 幕末研究の名著! ★★★★★
大学に入学直後に生協でふと、手にした本書。本当に自分の「幕末維新観」を180度覆してくれた1冊。

現在の幕末維新研究では「常識」とされている「一会桑」の視点を取り入れ、幕末の京都情勢を改めて分析している。内容の面白さに加えて、著者の文章もとてもわかりやすい。

著者の「一会桑」論は「薩長盟約」論にも広がりをみせる。「薩長盟約」(薩長同盟)とは何を目的としていたのか!? 「倒幕」とは結局何をどうすることだったのか!?

そのプロセスは!? 坂本龍馬は結局何をしたのか!?

一次史料を精読することによって、これらの謎を解きあかしてくれている。著者が語りかけてくるかのような感覚を覚える。史学科の出身ではないけれど、歴史を勉強したい人・史料解釈の醍醐味を味わいたい人にもおすすめ!

本書を読んで、「一会桑」についてもっと詳しく知りたくなった人には著者の

幕末政治と倒幕運動もおすすめ!


孝明天皇と慶喜、会津、桑名ってシブすぎる!!! ★★★★☆
なかなか幕末の天皇に焦点を当てた文献が少ない中、孝明天皇とさらに「敗者」の「一会桑」をテーマとした本書に飛びついた(今頃?)。幕末の覇権争いの構造はますます奇奇怪怪と興味深かったが、もっといろいろ深掘りしてほしかった。筆者も言われるように宮中に関する史料が少ないせいか、紙幅の制約もあるんでしょうか?朝廷サイドにスポットをあてた史伝は岩倉具視ぐらいなので新書ベースでもっと出版してほしいもの。
幕末に正義はない ★★★★★
幕末に真の正義はない、ということを最近よく考える。官軍と幕府軍においてもどちらが正義でどちらが悪というものではない。会津にしろ、忠を貫いたとされるが、実際は途中で舞台を降りられなかっただけということがこの本を読むとよく分かる。薩長のやり方というのは強引で理不尽なものであったが、勢いがあった。策士がいて、対幕府政策にしても一歩先を歩いている場合が多かった。薩長としても内心は自分たちの不合理さに気づいているから、もとより強行な攻めに終始せねばならない。この理不尽さが、反対派を作った。幕末に真の正義はない、と冒頭で述べたが、明らかに理は官軍にはなかった。では、官軍に立ち向かったほうが正義かというと、そうとも言えないのが難しいところだが、この本を読むともやもやしていた謎の一部が解ける。
倒幕→倒会 ★★★★★
幕末は、「薩長が手を取り合い、倒幕を成し遂げる。」というドラマチックなものではなく、主に会津打倒が目的で、結果として倒幕となったようです。戊辰で最も戦火が大きかったのも頷けました。しかし、従来自分が思っていた「弱い会津」ではなく、確たる信念を持った「強い会津」を感じました。それと、“ フリーメーソン云々 ”を半ば信じていたのが馬鹿馬鹿しくなりました。
幕末の通説的輪郭を知ってる人に読んでほしいです。
敗者の声をきく ★★★★★
日本人の幕末観には司馬遼太郎の諸作が圧倒的に強い影響を与えているが、司馬本人が本書で書かれたような幕末の朝廷・幕府・諸藩の動向を知らないはずはない。司馬の大胆な解釈、つまり一部の諸藩と朝廷の動向の無視が、彼の描く魅力的な明治維新像として結実した。
本書は、そこで消された声なき声を拾い集めることで幕末の新視点を提示する。
慶喜の直情的なキャラクター、幕臣と慶喜の距離、朝廷と一会桑の関係、幕府と朝廷の双方を支持した諸藩、薩長のそれぞれ内部での強硬派と穏健派の闘い、英仏の動向、それぞれ複雑に影響しあい、明治新政府は樹立する。一ついえるのは、薩長の一貫した武力討伐運動の成果が明治維新であったということでは決してないということだろう。著者も薩長の役割、志士達のリーダーシップを否定するものではないが、幕府政治を終らせた最も大きな要因は薩長ではなく世論、もっと言えばペリー来航にはじまる日本全体の大きな空気の変化であったと解釈することが、フェアな幕末理解なのだろう。敗者から歴史をみる面白さを伝える良書。