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王政復古―慶応3年12月9日の政変 (中公新書)

価格: ¥945
カテゴリ: 新書
ブランド: 中央公論社
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幕末の政治状況の契機ごとの変化と、制度的分析が冴えている ★★★★★
 武家社会を終わらせて時代を画した王政復古に至るまでの過程を、ペリー来航から解き明かした新書。タイトルは王政復古だが、幕末の日本の政治社会の相互作用を、幕府・朝廷・一会桑政権・いくつかの雄藩・武力討幕派などの政治単位及び突出した個人の立場や利害や論理ごとに書き分けてくれているので、当時の状況が立体的に思い浮かべる楽しみがある。

 また、幕府・藩・朝廷のそれぞれの制度について詳しく示してくれるので、江戸時代の国家体制がわかりやすくなる。というか、江戸時代の国家体制が一体どんなものだったのかをはっきりさせたのがペリー来航なのだというのがよくわかってくるし、その後の変化についても変化する契機ごとにその内容と影響を説いてくれるので、ミステリ小説のように先を追っていく楽しみもある。

 徳川慶喜の老獪さとそれを突破した大久保・西郷・岩倉の身命を賭した決断主義、その周辺の人々という状況は世間に流布する一連の竜馬物語よりもよっぽど重厚で迫力がある。泥を被って毒を飲み込んで旧制度を葬った新政府のその後の物語も、この人の筆で読んでみたいと思った。

 政治学的な分析が冴えている。カール・マルクス「ルイ・ボナパルトのブリュメール18日」に似た読後感を感じた。幕末の政治状況について知りたい人にはとてもお勧め。
この本も、面白い! ★★★★★
タイトルは「王政復古」だが、「王政復古がどう」だとか「王政復古の意義」だとかを、論述している本ではない。
「王政復古」という出来事をゴールとした「時代背景」や「時代の動き」を俯瞰的に記したものが本書といえよう。

多くの視点から、分かりやすく記述してあり、とても良い本で自分はとても好きである。
資料にあたって史実を正確に克明に描いた歴史書 ★★★★★
近代日本の出生証明書はいくつかある。大政奉還、五箇条の御誓文、戊辰戦争、廃藩置県、憲法発布。その中にあって、王政復古は日本政府の原型を作ったという点で特筆すべき出来事と言える。武家政権はおろか、貴族政治や天皇親政すら飛び越し、神武天皇の御世にまで遡って、一からやり直そうというのである。本書はこのようなラディカルな発想にまで到達するプロセスを、当時の書簡や日記などの一次資料からあたって、慶応年間の政治動向を丁寧に辿っていく。簡単に薩長同盟というが、それはどういう意味での同盟なのか、いかなる形式で、誰と誰との間に交わされたものかまで詳しく描いた本は他にないだろう。