書名の「〜の力学」から想像されるような内容ではない。
★★★★☆
本書の内容は、どちらかと言えば「思想」というか、著者が辿りついた考え方のようなもの。それはそれで読むに値するが、書名から連想される内容とは隔たりがある。その意味で星ひとつ減。力学を解説文だけで説明した本がないように、本書の内容は「〜の力学」に馴染まない。
今、経営がどうあるべきかが問われているとき
★★★☆☆
経営者の倫理に端を発する食品の偽装問題、
実体経済を忘れた行き過ぎた資本主義経済に翻弄された米国企業をはじめと
する企業経営破綻など、今、経営の舵取りが難しい状況にあります。
今こそ、企業はどうあるべきか? 経営の本質とは何か?
を考えて、今後の生き残りのために行動に移すべきときだと思います。
そのためのヒントを与えてくれる本だとは思います。
結論はもっともと思うところですが、そこに至るところの
ロジックが今ひとつ、すっきりとしないところです。
その辺りを整理した形で示してあれば、評価は高いのですが、
そこが減点となり評価は、可でも不可でもないものとしました。
でも、目を通しておいて損はない本と思います。
「経営」の深遠さに思わず背筋が伸びる
★★★★★
経営とはいかなるものであるかについて、改めて深く考えさせられる本である。
副題が「決断のための実感経営論」とあるが、この本で特筆すべきは、「経営における決断」について経営者のもつ哲学やある種の美学、ひいては器量にまで言及していることである。
これはともすると、経営の善し悪しを経営者個人に帰着させる議論に振れる恐れのあるところだが、「経営は論理である」と従来より一貫して主張してきた筆者が、その論理性を踏まえた上でもなお、「決断」に関して経営者の美学や器量に答えの一片を見いだそうとしているところが興味深い。
これまで筆者が様々な書籍等で述べてきた経営論の、集大成のひとつとして読むこともできるだろう。
既存の経営論では何か足らない、と感じている人には特にお勧めである。