西暦2000年のNHK大河ドラマ「葵 徳川三代」のオリジナルサウンドトラックですが、収録されている音楽は実際のドラマでの権謀術策が飛び交うドロドロした駆け引きの雰囲気とはかなり掛け離れた、神聖で、重荘なメロディに聞こえました。特にメインテーマのTime of Destinyの序盤の切なく悲痛な思いを感じさせる、しかしながら、同時に非常に強い意志も感じさせる旋律がケンブリッジキングスカレッジ合唱団によるコーラスを伴って、次第に光り輝くような神々しく、荘厳なクライマックスを迎えます。それは、さながら徳川家康という人物の不運と忍耐の半生から栄光に満ち溢れた東照大権現へと至った人生そのものの様に感じました。