キャリアの分岐点になるかも・・・?
★★★★☆
ここ数年に渡って3人編成で活動してきたアニマルコレクティヴですが、恐らくこのEPはその集大成と言って差し支えないものでしょう。M1は近年のライブでもしばしば披露されてきたナンバーで、前半パートのスローで美麗なピアノのループから、シンセのアルペジエーターによるフルート(?)のループを軸にしたアップビートな後半パートへと転調する、彼等らしい一曲。
そして、特筆すべきなのはM5でしょう。パンダ・ベアがヴォーカルを担う曲で、作風は、ワンループ/ワンコードに対して複数のメロディーを乗せて曲を展開させていくという、彼のソロ作である『Person Pitch』にかなり近いものとなっています。
『Sung Tongs』以降、事実上のダブルヴォーカル体制をとっている彼らですが、本作では『Merriweather Post Pavilion』以上に、二人のヴォーカリスト、エイヴィ・テアとパンダ・ベアによる楽曲の方向性の違いが顕著に見られます。思うにこれは、アニマルコレクティヴに収まらないものをソロでやるというより、多彩なアイデアを収めることのできるようにアニマルコレクティヴが膨張してきた結果なのではないでしょうか。
いずれにせよ、かなり聴きごたえのあるEPなので、せひ手にとっていただきたいです。