“シングル女性”とタイトルにありますが、おひとり男子の私にも非常に役に立つ内容が満載でした。

本書は、未婚のアラサー向けというタイトルがついているが、それに限定せず、そろそろライフプランを考えようという人で、Ｒ２５的なわかりやすさが好きだけれど、もうちょっときちんと実情や問題点を知りたいという人にお勧めの書です。この書籍の長所は以下の点です。
　１．新聞記者の執筆のため、日本語はわかりやすい。新聞よりも制約が少ないので、のびのび書いている感じ。
　２．各テーマについて、筆者（複数います）毎にいろいろな切り口で書いていますので、読んでいて飽きない。
　３．わかりにくいマニュアル本と違い、実感のわく書き方をしているので、頭に入りやすいし、実用的。
なお、未婚のアラサーの人たちは買って損はないですし、それ以外の方は目次を見て関心があるテーマを扱っていれば買うとよいと思います。

お金の管理や貯め方、病気になったときにどうするかといった目先の不安から、個人的にはなかなか決心が付かない「家を買うかどうか」といった大きなテーマや、自分の財産を最後にどうするか（相続や遺言）など、様々な分野の情報がぎっしり盛り込んである。この値段でこれだけの情報が入っていれば、かなりお得感があるのではないか。
「30歳から始める」とタイトルにあるが、もう少し幅広い年齢で使える本ではないかと思う。
シングル女性向けと銘打ってあるが、事実婚のメリット・デメリットなどにも触れてあり、一生シングルでいるかどうか決まったわけではないという配慮も感じられる。お堅いイメージの新聞社が編集した本だが、ちょっと驚いたテーマもあった。
家の問題や相続の問題など、１人だからこそ大変なこともいろいろあるのだなと、読んでみて気がついた。この本は「この問題の解決策はこれ」と言い切ってくれるわけではなく、考える材料やヒントとしての情報が多いようだ。具体的な解決策を示されると、自分にはあてはまらないような気がしてがっかりすることがあるので、ヒントとしての情報提供のほうが親切なのかもしれない。
日々の生活の中で感じる漠然とした不安や疑問について、どういう視点で考えれば解決への道筋が見えてきそうか、方向性を示してくれる１冊です。