結末はウィルソンにゆだねて
★★★★☆
ジャクリーン・ウィルソンの作品は
主人公たちがそれぞれの持ち味を良くも悪くも全開して
自分の思い描く未来に近づこうと行動し、あるいはもがいた後、
(読者の思い描くハッピーエンドにならなくても)
どこかニクイ着地点を提案してくれる。
何冊読んでも、
そのたびにウィルソンがどのように決着をつけるか楽しみで仕方ない。
『ダイヤモンド・ガールズ』も例外ではない。
ママとそれぞれ父親が違うお年頃の4人姉妹(16.14.12.10歳)が
それぞれにやりたい放題いいたい放題、羨ましいくらいに自己主張をし、
それぞれ個々の幸せを模索する。
物語は、5つ目の新たな生命の誕生を控えて(父親はさらに違う)、
ママが占いを頼みに、一軒家に引っ越すことを決行するところから始まる。
反対を押し切って、荷物をまとめ、皆を引き連れ新居の前にやってくると
そこは思い描いたような家ではさらさらなく。
家族でこの難局を乗り越えられるでしょうか?
(それにしてもにぎやかな作品だ。)
生活保護を受けながらぎりぎりの生活をしていると思われるのに
さらに懲りずに子どもを作ってしまうママをどこかで慕ってしまう。
我儘なダイヤモンドガールズたちにも
通奏低音のように暖かい感情が流れていて
ほろっとさせれらる。
着地点に安堵するよりも、
ウィルソンの描く人物の
片隅に控えている暖かい部分触れたくて、また読んでしまうのかもしれない。