「太極拳の科学」の姉妹書
★★★★☆
格闘技としての太極拳をきちんと説明した好著「太極拳の科学」の姉妹書である。
「太極拳の科学」はこの本の中で”前著”として紹介されている。
この本の内容は、「太極拳の科学」を読んでおかないときちんとした理解が出来ないだろう。
例えば、纏絲勁に関する説明は「太極拳の科学」に記載されている。
(前書で、この本の位置づけをきちんと説明しておくべきだと思う。故に、星4つなのだ。そうしておけば、この本に関するあるレビュアーの方のような誤解は生まれないだろう。)
「太極拳の科学」とこの「太極拳の神秘」は分担が少し不明確なところがあって、きちんと理解しようと思うと2冊とも読むしかない。
ただ2冊とも武術としての太極拳を説明した貴重な良書である。
武術としての太極拳
★★★★★
本書は武術としての中国拳法をきちんと解説した数少ない書籍のひとつです。
20年ほど前に、『続太極拳の科学』として出されていた本の復刻版。
武術を始める前は十分な理解ができていなかったですが、20年武術を修行し、この本がいかに武術の実戦解説書として優れているかを実感しました。著者は、明らかに套路や理論のみの太極拳家ではなく、実際の技撃の攻防ををよく理解して書かれており、太極拳のみならず、武術をやられいる多くの方に参考になる名著だと思います。
あくまでも参考程度に
★☆☆☆☆
この本に書かれている理論や身体の使い方は太極拳とは違うようです。
・まず、太極拳の代名詞というべき纏絲勁の説明が全くといっていいほど無い。
・陳式太極拳をテーマにしながら「陳式の馬歩のような弓歩は意味がない」と書いている。(意味がないのではなく、おそらく意味を知らないのであろう)
・抖勁や順纏・逆纏には全く触れていない。
・一番威力のある技は(太極拳の動きにはない)圏捶だと書かれている。
・推手をいくらやっても意味が無い、本質的かつ決定的な錬功法は木人のような物を打つ錬功法だと書かれています。
おそらく著者は南派拳か外家拳を習い、その理論や技を太極拳の見た目が似ている理論や技にあてはめて書いていると思われます。
参考になった部分は 南派拳的な技の用法がわかること、
結構面白い用法があり、これはこれで参考になります。
見た目は似ているが本質的には太極拳とは似て非なるものなので、あくまでも参考程度に。
すごくおもしろいです
★★★★★
太極拳の型が実際にどのように実践で使われうるのか、具体的に記述されており、太極拳がいかに優れた拳法であるのか、その魅力が十二分に描かれています。二冊とも購入して熟読することをお勧めします。