デルスゥ・ウザーラより秀作
★★★★★
デルスゥ・ウザーラの作者として有名なアルセーニエフの晩年の作品ですが,デルスゥ・ウザーラよりも後の作品だけに,文章が整理されていて読みやすく,極東ロシアの自然が,文章を通して臨場感豊かに迫ってきます。
先住民達との交流や,洪水によって引き起こされた悲劇,動物たちとの出会いなど,実際にその場所に何度も足を運んだアルセーニエフならではの経験と観察眼が見事に反映されている一作です。
黒澤明によって映画化されたデルスゥ・ウザーラの方が,日本では遙かに有名ですが,読み物としての魅力としてはこちらの方が上かもしれませんよ。