人がバラバラ…
★★★★☆
短編集である。
短編集は、強い敵があまり出てこない。敵は出てくるとすぐばらばらになる。そうしないと話が終わらないからだ。
今回、ちょっとだけ設定に変化があった。盗聴用の糸で、モノを切ることはできないらしいのだ。えー???である。いままでさんざん、一本の糸で人を切り、縛り、操り、視、聞き…していたのに…。その唐突にして、意味の無い設定変更ゆえに星を1つ減じています。
挿絵はあまり注目していません。申し訳ありませんが。
全ページ描いてあるというのならともかく、クライマックスに近くなるほどページ数が減っていく挿絵に注目しても…。
せつらくんが…
★☆☆☆☆
私は高校時代から菊地先生のファンです。まずハマった作品は『夜叉姫伝』でした。それからです。世にも美しいせんべい屋さんに出会ったのは。マン・サーチャーシリーズは全て読みました。スーパー伝奇小説と銘打ちながら、悲哀に満ちた怪しくも美しい物語の数々。そして末弥純画伯の描く妖美な挿し絵。私にとっては、せつら&末弥純は絶対の組み合わせでした。…それが新作では小畑氏の挿し絵に変わってました。書店で見つけた時、ショックで固まりました。小畑氏の画風は嫌いではありませんが、末弥画伯すらせつらくんを描ききれなかったのに、小畑氏はあっさりと書いてしまいました。しかもあんなにハッキリと……残念でなりません。末弥画伯の一刻も早い帰還を切に願う今日この頃であります。無理かなぁ…。
イラストレーター
★★★☆☆
んー、正直何故、イラストレーターが末弥純氏ではなくなってしまったのかと、問いたくなりました。
小畑健氏は好きですよ、そりゃ「サイボーグじいちゃんG」もジャンプで読んでましたよ。ヒカルの碁もデスノートもね。
帯にも書かれているが「秋せつらを描くのが、私の夢でした。」ってコメントも、伊角やキラを見ればなんとなくね分かりますが、ハッキリ言って、せつら様の美しさを全然描ききれてません。
そりゃ、せつら様の美しさを描くには末弥純氏すらというか、この世の誰にも描くことの出来ないものですが、美しすぎて、呆然となり焦点の合うことの出来ぬせつら様と末弥純氏の画風が一致し、小畑氏よりマシでした。
内容の方も、最初の1本目を読み、あれ? これマン・サーチャー・シリーズだよね? と思わず表紙を見直してしまうほどでした。(そして柩の男の絵がせつら様じゃないことをひたに祈ってました)
せつら様に想いを寄せるお気に入り人形娘は可憐さ、可愛さ、そして優雅さは「字」「絵」ともに認められず、いまいちでした。
菊地先生ファンならとりあえず買い。それ以外はXな作品でした。
通り過ぎた影の気配さえ美しい
★★★★★
二年半ぶりのせつらくんの登場だけでも大喜びしていたのに
挿絵が小畑・デスノート・健氏だと情報が・・・。
私は笑いました。嬉しすぎると人間は笑うのだと知りました。
末弥純氏のイラストももちろんこよなく愛しておりました。
なんて贅沢なのでしょう。
せつらは画家魂を揺さぶるのです。
その美しさにおいて。
その不可思議な存在の仕方において。
描いてみたくさせるのです。
幻舞の章は6篇からの短編集です。
どのお話も切なさを孕んで美しい一時の夢のようで素敵です。
そして読み終わった時に、せつらを描いてみたい衝動におそわれるのです。
私は描けませんけど・・・。
描ける描けないは別問題ということで(笑)
久々でアレレ?
★★★☆☆
「秋せつら、待ってたわ〜!」と喜んで購入したら・・・挿絵が替わってるっ(驚)
小畑健氏に!!
絵は確かに綺麗。だけど、今までの末弥純氏のイラストが印象強い為もあり(末弥氏は幻想的+蠱惑的)、また、アクションシーンやちょっとした色っぽいシーンのイラストもなく寂しい感は否めない。
せつら自身も『夜叉鬼伝』辺りのとぼけたオチャメさもなく、初期の『魔王伝』辺りのハードボイルドさもなく中途半端。
「茫洋」さは相変わらずだが、糸を奮う瞬間の凄み、「僕」から「私」への変貌の描写ももの足りなかった。
『闇の恋歌』で「出し尽くし」たのだろうか・・・全体的に薄味で物足りない。
秋せつら、ドクターメフィスト、夜香、凍らせ屋・・・登場人物達は皆クセモノ揃いで好きだからこそ、次回作は濃く、しっかり味わえる作品を期待します。