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レインボーズ・エンド下 (創元SF文庫)

価格: ¥987
カテゴリ: 文庫
ブランド: 東京創元社
Amazon.co.jpで確認
読ませるエピソードもあるが ★★★★☆
面白く読ませるエピソードや、感動的な場面、SF的な驚きを示すシーンなどありますが、全体としてまとまりや整合性にかける面があります。
そこそこ面白いので最後まで読ませますが、ニューロマンサーのように衝撃的な未来世界のビジョンが提示されるわけでもなし、既存の価値観を激しく揺さぶられるわけでもないので、しばらくすると読んだことを忘れてしまいそうです。
今年度ベストSF? ★★★★★
ヒューゴー賞、ローカス賞受賞作。
2030年代の近未来世界を描く。その世界では、今よりもネットワーク化が進み、ユビキタス・コンピューティングが実現している。コンピュータも身に付けるものになっており、ありうべき未来の姿だ。
そんな世界で、図書館にある紙の本のデジタル化というイベントに絡み、国際的な謀略が行われようとしている。そこに巻き込まれた主人公たちの活躍が描かれている。

しかし、面白いな、こういう近未来SF。宇宙人とか出てこないのがいい。
ネットワーク化、デジタル化が進むこの社会に対する批判みたいなメッセージも感じるが、基本的に著者は善意の人。技術が発展しても、それを悪用する人もいれば、それをよりよい世界を築くために使う人もいる。テクノロジー賛美というわけはないが、単なるテクノロジー批判でもない。とても理性的な人なんだろう。

もっと読みたい作家だけど、かなりの寡作。この小説も、最後までいっても解き明かされない謎もあり、是非続編が読みたい。

あぁ、面白かった。