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時間封鎖〈上〉 (創元SF文庫)

価格: ¥987
カテゴリ: 文庫
ブランド: 東京創元社
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読者の時間も封鎖する ★★★★★
久しぶりに手に取ったSFが、
本作だったことは大変運が良かったです。

ある日、地球から星が見えなくなった。
翌日太陽は昇ってきたが、それは偽物の太陽であった。
原因となった地球を覆う"奇妙な膜"は、
地球の時間を外膜の1億分の1(地球の1年が宇宙の1億年)にするものだった。
この"スピン"と呼ばれる現象…いったい何者が、何故、地球を時間的に封鎖したのか。
やがて人類は太陽の寿命という人類滅亡の危機に直面する…。

最高に面白い作品です。

1億分の1の時間という状況を逆手に、人類は様々な技術を用いたトライ&エラーを繰り返していく…
壮大な戦闘シーンなどはないですが、実験シミュレーションの描写が実に面白く、
さらに科学小説に留まらない、人類滅亡に直面した登場人物たちの焦り、不安、そして欲望を描き、
優れたドラマ性も持っています。

何より、翻訳が、うまい。
ともすれば直訳が多く読みにくい海外SFが多い中で、見事な翻訳です。
今後、もっと良SFの翻訳に携わって頂きたいです。

夢中になり、気がついたらあっという間に時間が過ぎていく。
読者の時間すら封鎖する作品だといえると思います。
悪くはないけど長すぎる。 ★★★☆☆
評論家やここでの評価は非常に高いです。

地球の時間だけが1億分の1の速度になったため、はるか未来のはずの地球滅亡が目前になったという設定や、それに対応するため、火星をテラフォーミングしようとする発想などは、確かに面白かった。

しかし、幼馴染3人の人間ドラマというストーリーに関して言えばあまりに陳腐で退屈で、その内容の薄さに比して、お話が長すぎませんか。
また、謎もすべてすっきり解決するわけではないので、その辺は覚悟して読みましょう。

上下二分冊ですが、面白くなるのは下巻からです。辛抱してください。
ものすごく壮大 ★★★★☆
主人公たち3人組の少年時代と現在とが交互に入れ替わる手法上手い。
少年時代が進む(現在に近づく)に連れて解らなかった事が徐々に見えてきます。
宇宙規模の壮大なストーリーに圧倒されました。
でも一番面白かったのは、チャリンコで坂道を降りるあたりかなw
「地球幼年期の終わり」を想起させる面白さ ★★★★☆
久しぶりに読んだSFだ。面白かった。地球を「時間封鎖」してしまう「仮定体」について別の方がレビューで「スペースオデッセイ2001(2001年宇宙の旅)」(小説はアーサーCクラーク、映画はキューブリックとクラーク)の超高度知性体をイメージしたと言っていたが、私は更に一昔前の「地球幼年期の終わり」(アーサーCクラーク)のイメージが重なった。「幼年期の終わり」では新人類が旧人類から分離し、旧人類は滅びるという我々旧人類にとってはさびしい結末になっているが、本書では人類に新天地としての別の惑星へのゲートが開かれる。この辺は映画「スターゲート」を彷彿させる。続編の「無限記憶(AXIS)」も早速注文しました。
素晴らしい日本語訳者に出会えたことを喜びたい ★★★★★

 ある夜を境に地球を何か大きな界面が包みこみ、夜空からは星が姿を消す。包み込まれた地球とその外の宇宙空間との間では時間の経過に1億倍の差が生まれた。地球人が1年を数える間に、外側の世界では1億年が経過していくのだ。この巨大な時間差を利用して人類は、火星に原初な生命を打ち込み、やがてそこを植民惑星に育てることにした。そして進化した火星人類が地球に降り立ち…。

 地球の近未来の姿を空前絶後の想像力で描く、壮大なSF作品の上巻。地球と外世界の巨大な時間差を利用して、我らの世代が生きているうちに遠大な未来から火星植民者の子孫がやってくるという物語に、幻惑・魅惑・驚愕させられるストーリーです。
 まだ上巻を読み終えたところですが、本書が与えてくれるその興奮たるや相当なもので、物語の行く先を見るのが待ちきれない強い思いがあります。

 さらに詳細な展開については下巻のレビューに譲ることとして、ここではなんといっても日本語翻訳者の素晴らしいの一言に尽きる訳文に触れておこうと思います。
 巨大なホラ話である英語原著の味わいとは実際には比較していませんが、ともかく読みやすく、流麗で品位ある日本語文に魅了されます。その見事な訳文が読み手の私をぐいぐいと引っ張ってくれ、このSFがこれほど素敵な日本語の書き手に出会えたことをとても強く喜びたい、そんな気にさせてくれるのです。

 調べてみたら、私がこの訳者・茂木健に出会うのはこれが初めてではありませんでした。
 今から4年前、「指紋を発見した男―ヘンリー・フォールズと犯罪科学捜査の夜明け」というノンフィクションの無類の面白さを日本語で教えてくれたのがこの訳者だったのです。
 
 この訳者の手による翻訳本であれば、ジャンルを問わず二度三度と手にしたい。そんな気にさせられる日本語文です。