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名画を読み解くアトリビュート

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: 淡交社
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不手際が残念 ★★★☆☆
コンパクトな辞書形式に纏められていてアトリビュートとなる物とその意味、そして実例として白黒ながら多くの作品の写真が掲載されている。説明も簡潔で理解しやすいが、多少不手際が見られるのが残念だ。例えば138ページ『鷲』の項目を見ると、鷲はユピテルを象徴し、トロイアの少年ガニュメデスを誘拐するとあり、その出典としてオウィディウスの『変身物語』を挙げているが、この話はラテン詩人オウィディウス(前43-後18)がギリシャ神話を脚色したもので、もしオリジナルの出典を示すならばそれはホメーロスの『イーリアス』でなければならない。しかも神々の長ユピテルはラテン語名で本来ならギリシャ名ゼウスを使うべきだがここには全く記されていないし、索引を見てもゼウスの項は無い。しかしヴィーナスの説明にはギリシャ名アフロディテと注釈がある。勿論著者は読者が既にそのことを理解しているという前提で書いたのかも知れないが、初心者には不親切だろう。また絵画や彫刻のアトリビュートとして重要と思われる孔雀や林檎については触れていない。更に人間の五感についての説明で視覚、聴覚、嗅覚、味覚とあるが触覚を欠いている。もう一つが他のレビュアの方も指摘している『頭』の項でティツィアーノの名画に描かれている女性が果たして著者の説明している『ユディット』なのかという問題だが、これについてはいくらか長くなる為下のトピック欄に投稿したので参考にされたい。
アトリビュート ★★★☆☆
正直内容が薄いし、この本を参考に論文を書くとなると不十分な感じでした。

また、サロメの絵が間違えてユディットとされてましたが
あの絵はサロメだそうです。(私が見た別の本では、サロメとされてました)
アトリビュートでのサロメとユディットの違いなどもう少し説明があったらいいなと思いました。
アトリビュート小事典(美術関係者必携) ★★★★★
 アトリビュートattributeとは聞きなれないかもしれないが、ある英和辞典では「官職・資格を表す付属物・表象」と出ている。例文として、稲妻lightning boltsは、ゼウスZeusのattributeであるというような使い方が挙がっている。本書では、ヴィーナスの薔薇、聖母マリアの百合などをはじめ、合計58のアトリビュートが集められ、50音順に配列されている。
 このアトリビュートが一体どういう機能を果たすのか。著者の挙げた例は分かり易い。「たとえば、初対面の人と待ち合わせをするときに、『私は手に新聞を持って立っていますから』という約束をすることがある。手に新聞を持っていたら木村(著者)である」。したがって例えば、ある絵画の中で正体の知れない女性が薔薇を手にしていたとしたら、その女性はヴィーナスなのではないかと推測した上で作品鑑賞が出来ることになる。
 たとえば、欧文文献を読むとき語学辞書を引くように、「図像学上の文献を手にしながら絵画をじっくり読み解く」というのが著者の姿勢である。一次資料、参考図書にこだわりを見せる著者らしく、巻末の注釈付文献一覧もありがたい。58のそれぞれの項目で紹介された文献を見ていると、そこから精査して展開していけば、例えば『シャボン玉の図像学』(森洋子、1999年)、『白鳥のシンボリズム』(上村くにこ、1990年)、『薔薇のイコノロジー』(若桑みどり、1984年)といった優れた書物に比肩し得る本も書けるのではないかと錯覚するほどだ。
 21世紀の『イコノロギア』が生まれた。