寺井尚子 ベスト
価格: ¥2,548
1998年のデビュー作『シンキング・オブ・ユー』と99年のセカンド作『ピュア・モーメント』、それに01年のセルフ・プロデュース作『オール・フォー・ユー』から各3曲、リー・リトナーとの共演が話題なった00年のサード作『プリンセスT』から2曲、そこに未発表曲1曲を加えた寺井尚子初のベスト・アルバム。これによって98年の劇的なデビューから2001年にかけての彼女の足跡をざっと辿ることができるわけだ。
初期の2作ではジャズ・ナンバーの独自な解釈が新鮮。リー・リトナーとの共演ではフュージョン的なサウンドの中に響くヴァイオリンの調べが爽やか。そして『オール・フォー・ユー』ではアコーディオンのリシャール・ガリアーノと共演、アストル・ピアソラのタンゴを演奏しているのがドラマティックだ。なお未発表曲<12>はリー・リトナーとのセッション時のもので、ゆったりとした叙情的な演奏。抜群のテクニックもさることながら、寺井尚子はなにを弾いてもジャズになってしまうところがなんとも素晴らしい。(市川正二)