清水秀子さんの際立つ存在感
★★★★★
高い評価を得ている渋谷毅さん率いるユニット、エッセンシャル・エリントン第3集。デューク・エリントンの数々の名曲をユニークな楽器編成と巧みなアレンジで仕立て上げ、ジャズ本来の楽しさを見事に表現。特筆は全曲参加しているヴォーカルの清水秀子さんの際立つ存在感。「It Don't Mean A Thing」「Take The A Train」などバックの管アンサンブルとシームレスな融合で、極上のスイング感をうみ出しています。エリントン・ナンバーには器楽用に書かれた曲に後日、別人が歌詞をつけたものも多く「Sophisticated Lady」もそういった作品。このインストゥルメンタル用に書かれた難曲での歌唱も味わい深く、清水秀子さんの歌声から歌の中の主人公の優しい眼差しまで浮かび上がってきます。エリントンならではの世界が堪能できるアルバムです。