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ちょっと気の利いた 漢文こばなし集

価格: ¥2,160
カテゴリ: 単行本
ブランド: 大修館書店
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中国文学の中のエスプリの効いた小話 ★★★★★
 中国版「走れメロス」を紹介する。話の筋や人物設定は少し違うが、約束を守るために、自分の命や自由を脅かす場所へあえて引き返す点ではよく似ているのである。
 南宋の趙一徳は、捕虜として燕京に連行され、鄭という家の下僕になった。三十余年して故郷に残している父母に会いに帰りたいと願い出、一年経ったら帰ってくることで、故郷に帰ったところ、母一人いた。その母を残して、約束どおり燕京に戻ってきた。
 そこで、主人の鄭阿思蘭は、一徳を奴隷の身分から解放してやる。しかし、その主人の身に災難が待ち受けていた。無実の罪で罰を受けそうになったのである。一徳は阿思蘭の潔白を明らかにして助けたため、財産を褒美にもらえるはずのものを辞退する。受け取らずに故郷に帰る。故郷の母に仕えられるだけで満足する。それは、親孝行・人間愛への賛美ということになる。
 こういう美談は、古い話「勧善懲悪」的ではあるが、人間が基本的にあるべき姿を示してくれており、本書著者と共感するところである。
 本書には、この他「死なない方法」で死なない方法を学びとるはずの本人が死んでしまう皮肉な話が紹介されている。また、「風が吹けば桶屋が儲かる」という日本の諺によく似た「鼠は猫よりも強し」という詭弁を紹介しており、それぞれに面白い23話が載せられている。
  
抵抗なく楽しめる本です ★★★★★
漢文と聞くと面白くないもののようにとらわれがちですが、この本では、そういう先入観は抜きにして単純に楽しめます。

例えば2番の「長生きは考えもの」、「長く生きながらえたいと願い求めるのは、可能でしょうか」という質問にノーの答えを受ける。そこまでは普通の話のように思えるが、その後「もしそうだとすれば、早死にすることの方が、いつまでも生きながらえるより良いことになります」と反論するところなどは、現代から見てもなかなか面白い(?)話の展開方向だ。さらに最後に出てくる「そうではない。生まれたからには、作為を加えず自然の流れにそって、自分の欲するがままに行動しつくして、死を待つのだ。」という考えは、「そうきたかぁ…」といった印象を受ける。

この他にも、大学入!試から取ったという話が23話、厳選されている。「漢文」としてよまなくても構わないので、古代中国から受け継がれてきた(…のか?)こばなしを楽しんでみてはどうだろうか。