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地球温暖化の予測は「正しい」か?―不確かな未来に科学が挑む(DOJIN選書20)

価格: ¥1,785
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: 化学同人
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温暖化予測の概要(さわりの部分)を理解するには最適 ★★★★★
温暖化予測の専門家が、モデルの概要をわかりやすくかつ客観的に解説してくれている。
温暖化予測について知識として知っておくには、最適の本だろう。

モデルで考慮しているパラメータ、予測する対象、予測の不確定性等、平易な表現で説明されており、わかりやすい。

著者も書いてあるとおり、まさに、理系の人にはわりとすんなり、文系にはちょっと難解というさじ加減の内容になっている。
モデラーの世界の一端がのぞけます ★★★☆☆
気候変動予測モデル作成の第一人者が、モデル作成の方法、精度について語った一冊。世界には20の本格的な気候変動予測モデルが存在し、それらの示唆する値を分析することで、ある程度のレンジを持って将来の気候変動が予測できるといわれている。IPCCは、その集大成版を作っていて、2004年の第4次報告では500人の執筆者、確認者と含めると2000人(!!!!!) が作成にかかわり、さまざまな論文、モデルのデータを集めていくつかのシナリオでの気候変動予測を作成した。IPCCによれば、さまざまなシナリオの中で最も温暖化が進むケース(経済成長が維持され、化石燃料が現状のまま使用され続けるケース)では、100年間で2.4-6.0℃平均気温が上昇するとされている。最低のシナリオだと、1.1-2.9℃。

ただし、意外と知られていないことだが、このレンジ(かなり大きいが)は66%の確度であり、このレンジを超える可能性も十分にあるわけである。しかもこれは平均だから各地域の動きは分からない。ふむ。んで?この数字をどう解釈する?

いろいろな回答が考えられるが、「気温あがるじゃん!まずいじゃん!」という単純な反応はやっぱりおかしくって、この数字を何か別のもの(具体的には経済的な価値)に置き換えないとやっぱりならないんだろう。数字はときには雄弁であるが、ここでこの気温変化の数字が意味するところはあまりない。結局のところ、この精度での予測を解釈して政策を立案するのは、著者も明記している通り、政治家や経済学者の仕事である。気温上昇の予測は価値中立的なのであるし、そうして読まれないとならないと思う。

しかし、もうちょっと精度が上がったらもう少し政策につながりやすくなるね。たとえば、かなりの精度で東京の気温は2030年に3℃上がります、って言われたら、何か対策とらなとって思うじゃんね。タンクトップOKの超クールビズ導入だな、そしたら。
知的に面白い本です! ★★★★☆
アル・ゴアの「不都合な真実」は確信犯的なプロパガンダ!?本書を読むとシミュレーションの仕組みがよくわかり、冷静にいまわかっていること/まだわからないことが明確になります。

天気予報に使われる仕組と、温暖化を予測する仕組は基本的には同じ。ただ、前提が違う。不確実性をいかに少なくしていくか・・・

すぐに6mの水位上昇は無いけれど、今世紀末までに1mくらいならあるかも・・・。温暖化=悪ではないけれどトレードオフのラインを超えて進めば悪になる。

各国政府の目標や「議定書」の目標・・・各所で目にしますが「達成するとどうなるの?」って意外とわかってなかったかもしれない。その目標も一定の不確実性は含んでいる、と。

科学に関する専門的な知識がなくても読めます。
温暖化予測は進化している ★★★★★
温暖化懐疑論関連本の出版が続いている。似たような内容で手を替え品を替え、もういいだろうと思う。そんな中、温暖化予測の研究に携わっている研究者による本が出た。とはいえ懐疑論批判の本ではない。科学的な取り組みとしての温暖化予測を誠実に伝える本である。

本書では、まず温暖化がどんな問題か、基本的な部分をおさえていく。懐疑論の人が突っ込んでくる点などを意識しながら、どこで認識の齟齬をきたしているかを丁寧に解説する。あからさまな反論ではないが、どこかで目にしたあの人のあの話はこういうことだったのかと思い当たるのではないか。
第2章以降は、気候モデルによる温暖化予測についての説明だ。乱暴にまとめると、予測の際の前提となる条件、コンピュータが解いている方程式、なにが予測されたか、その予測は正しいのか、今後研究はどう進むかがそれである。なるほど、温暖化の予測はそのようにされているのかと、とてもわかりやすく過不足なく説明してくれる。

本書の白眉は第5章だと思う。気候モデルには不確かな部分が残っていることは、研究者自身が一番よく理解している。その不確かさをいかに小さくするか、科学的にどのようにアプローチしたらいいのか、世界中の研究者がどんな試みをし、なにを考えているのかがわかるはずである。
本章により、少なくとも私には、信頼するに足るアプローチが試みられ研究が進んでいるのだと感じた。
「コンピュータの予測なんか」と知った風なことをいう前に、本章に目をとおすのが賢明だろう。

余談だが、186ページを読んで私も温暖化予測のお手伝いを始めた。
温暖化問題を冷静に考えたいあなたへ ★★★★☆
地球温暖化の予測がどのようにおこなわれるのか、予測の不確かさは何に由来し、どのように測られ、どのように狭められようとしているのか、コンピュータシミュレーションの専門家である筆者が平易に解説している。センセーショナルなタイトル、内容の書籍とは一線を画し、専門分野の解説に終始する筆者の姿勢に好感が持てる。

モデリングの中身について深く知りたい人には物足りないだろうが、シミュレーションがどんな方法でおこなわれているのか、その方法はどんな現実、考え方にもとづいているのかについて説明されており、読者の温暖化リテラシーをあげるという筆者の意図は成功している。

筆者や専門家が予測の限界を理解しながらも、いかに信頼性を向上しようとしているのかが良く理解できた。