ロッド・スチュワートには、さまざまな顔がある。先行者ロッド、ロック野郎ロッド、クルーナーのロッド、等々。本作『One Night Only』では、彼の七変化を見ることができる。とにかく、熱烈なファンたちと声を合わせて歌っている気分になれそうな90分間だ。以前にも増してハスキーになったロッドは、長く充実したキャリア全体からまんべんなく曲を選び、披露してくれる。70年代のソロ・アルバムの数々、その中でも最高傑作と言える71年の『Every Picture Tells a Story』、彼のニュー・ミレニアム・デビューを告げたスキルフルなヒット・シリーズ『Great American Songbook』、いずれにも目が行き届いている。目にも耳にも楽しい今回のコンサートは、全17曲。3作のスタンダード・ナンバー集のリリースと同時期であるにもかかわらず、そこからは5曲しか取上げられていない。そのうちの1曲が、プリテンダーズのクリッシー・ハインドとの共演となる「As Time Goes By」だ。豊かなオーケストレーションが素晴らしいが、スチュワートにしてもハインドにしても、ロックやポップの方がお似合いで、ジャズやビッグ・バンドやキャバレー音楽には向かないことが露呈してしまった。さて、より大きな比重を占めているのが、「You Wear It Well」、「Reason to Believe」、「Maggie May」といった初期のスチュワートのチューン。かつてと同様、アコースティック・ギター、バイオリン、マンドリンによって美しく描き出されている。スチュワートの盟友にして元バンド・メイト(共にフェイセズとジェフ・ベック・グループに所属)、そしてローリング・ストーンズの現メンバーであるロン・ウッドが参加し、賑やかな「Stay with Me」を始めとする数曲でギターを担当。スチュワートは盛んにコブシを利かせて「Hot Legs」を熱唱するが、当時59歳とあって、さすがに「Do Ya Think I'm Sexy」は歌わない。彼なりの分別と言うべきか。DVD特典の目玉は、ツアーについての短いドキュメンタリーだ。(Sam Graham, Amazon.com)
リージョンフリーです。心配なく再生できました。内容的には、前作のIt Had To Be You...も良くできた内容だったが、このロイヤル・アルバート・ホールでは、母国ということもあり、非常にリラックスした中で、観客が本当にRODを愛しているのがわかって、これも良いですよ。曲目的にも重複しているのは五曲だけで、特に、First cut is the deepest、you're in my heart、i don't want to talk about it そしてsailingでの観客との一体感は見ていて感動します。また、ルイ・アームストロングの歌で有名なwhat a wonderful worldも最高です。