仕事のジャンルによっては「毎日使うことが当たり前」で、しかしあまりにも奥行きが深くなりすぎて、
全部覚えることを思わず放棄してしまうソフトの代表選手（笑）とも言えるPhotoshop。Tip集的な本が
多い中、Photoshopそのものをマスターすることを軸に置いているこの本は、Tips集的な賑わいはない
ものの、よく読んで実際にPhotoshopに触れてみると「あ！こういうことだったんだ！」と、その概念
を再認識させてくれる内容に仕上がっている。
もちろん「なぜ？」を知る必要はない、今すぐ使える技が知りたいんだという人には、他に出ているTips
満載の本の方が満足度は高いに違いない。しかしもういちど、最初からこのソフトに取り組んでみたい、
このソフトの全てを使いこなしたいという野心を持っている人には、製品のユーザガイドとこの本を併読
することを薦める。ちなみにあまり品質のよろしくない翻訳エンジンを使ったと思しき製品のユーザガイド
の（言葉が）足りないところの90%は、この本に書かれていることで埋めることができるはず。残り10%を
書かなかった理由が不明なので星一つ減らすが、内容と充実度に関しては充分星五つに値する内容。
Photoshopという難敵に挑む者のひとりとして、本の作者・編集者に敬意を表したい。