「TRUTH」以降のハードさや長いソロ回し等はなく、メジャーキーの曲が多いこともあって、フュージョンが苦手な方もとっつき易い作品ではないでしょうか。ビートルズのカバーである「ハロー・グッドバイ」や松任谷由実が提供した「黄昏で見えない」等が収録されている事もあって、限りなく歌物に近いインスト作品になっています。
「バーバリアン」は、後のハード寄り路線が伺える隠れた名曲だと思っています。
あと、全体的に曲順が良く練られている事に感心します。
特に、当時はまだまだレコードが全盛だったので、
(長時間のテープへ録音したもの以外は)A面終了で一旦切れますから曲順は今より大切です。
まぁ、今考えてみても恐らくこの曲順になるでしょう。
ただ、最後にハロー・グッバイをリプライスで持ってくる事の意味がよく判りません。
『バーバリアン』もヘビー目ではありますが、リリコンの効果なのか結構爽やかです。
だから、最後の曲はあってよし、なくてよしという感じです。
『STARS AND THE MOON』のようなどことなく閉鎖的空間のイメージのアレンジではありませんから、
今聴いても爽やかでしかも古さをまったく感じさせません。
リリースされてからこれだけの時間が経っているのに、これだけ古さを感じさせないアルバムはかなり珍しいでしょう。
その理由の一つには全体的な音の抜けの良さがあると思います。
低音を抑えた(ように聴こえる)アレンジが爽やかで抜けの良い感じを演出しているのでしょう。
自分は『SABANA HOTEL』と『HANK & CLIFF』が大好きです。
楽器同士が火花を散らすというタイプではなく、
上質のイージーリスニングという感じです。
好きなジャズ・フュージョンアルバムトップ5を挙げたら、
ランクインする可能性大です。
『The Square』としては一番好きです。