「じぶんでできるのにおかあさんにやってもらうのもったいない」というのがありました。
思わずパチパチ。物を大切にしようと呼びかけるだけでなく、他にももったいないものが
あるよ、とさらに発展してきています。
もったいない日常の場を越えて人生哲学にまでなっている、と感じたのが最終話ばあさんの
誕生日。「としはとらなきゃもったいない」というばあさんの言葉におおきくうなずきました。
大人にも子供にも。

『もったいないばあさん』を初めてみたとき、まさか
ここまでブレイクするとは思いませんでした。
英訳版が出るは、類似書は出るはで、ひょっとしたら作者自身が
いちばん驚いているのでは。

もともとはエコロジー的発想の延長で生まれた作品なのでしょうが、
『もったいない』という呪文のような言葉と怪しいおばあさんを結び
つけた事で、新たな価値観を認識させることに成功したのでしょう。

それは、さまざまなモノに対する感謝の気持ちであり、
いかにしてマイナスをプラスに転じさせられるかという創造的精神に
まで及んでいるところが多くの共感を得たのだと思います。

さて、その続編とも言える本書では、なんと26もの　もったいない　
が紹介されています。中には無理矢理こどもの躾けにつなげている
感のものもありますが、全体としてはお買い得な内容です。

朝日子供新聞紙上に連載された4月から9月までの半年分の内容を
収録しているとのこと。それは読んだ事ないのですが、10月から3月の
風物にちなんだ次編の登場もありそうですね。

今や大人気となった「もったいないばあさん」の エピソード全26話が収められています。もったいないという意味を子供にどう伝えたらいいのか、いざ説明しようとしてもうまく言葉が見つかりませんでした。そんな時子供と一緒にこの本を読み、終わったら子供も毎日の中でいろいろもったいないがあることに気づいたようです。
巻末には絵かき歌があり、カバーの裏も人形劇などに使える型紙を印刷して隅々まで楽しくもったいないが分かりやすい絵本です。