伝統を軽んじる事だけが正しい導き方であろうか
★★☆☆☆
p.32を読んで驚いてしまった。恵みや玄義を願わないほうがいい、とある。基本が出来ていない初心者にいきなり応用をやれ、とすすめる、レッスンプロのようである。この辺りだけでなく眉に唾したくなるような記述に事欠かない(p.36-p.38)。
p.31には、年寄りは若者の事を考えて口語で唱えるよう努力しろ、とある。これは逆である。寧ろ若い人にも(年配の方達にも)ラテン語の祈りを勧めるのが筋だろう。聖座においてパパ様は主の祈りをラテン語で祈ることを推奨している事を神父である著者が知らないわけがない。カトリックの公用語がラテン語であることをお忘れなのであろうか。
なんでも口語、簡単に、インスタントに、という行動(バイアス)がどれだけ荘厳さ、霊性を失わせたか、もっと自覚して欲しい。今の日本のカトリック使徒座は、この本に限らないが、連綿と流れている祈り方、伝統をあえて軽んじるように一般や信徒達に仕向けている。プロテスタントや別の勢力から何かもらっているのだろうか?
料理の本、あるいは他の実用の書物ならそうした「インスタント」な紹介の仕方、「実用本位」の破壊(破戒?)も悪くはないだろう。
これで「再入門」させたなら、さらに深めていく事を手助けしないなら、専門家失格であろう。それが欠落しているのが戦後日本カトリックである。還俗する招命者が後を絶たないが、結局、初心者ばかりあるいは素人向けに浅い内容に偏った宣教を行ってきた「ツケ」が専門家である司祭達に回ってきているのである。そうした負の側面、負のスパイラルに入ってしまっている事を、使徒座も私達も考えなくてはならない時期なのだ。
ロザリヲを紹介すること自体は悪くない。もっとバランスの取れた編集内容、シリーズになることを願ってやまない。
来住英俊司祭と読者の上に天の祝福をお祈りします。 汚れなき聖母において。
祈りと瞑想
★★★★★
祈りというものについて 改めて いのり=願い だけでないということを
軽いタッチでありながら教えてくれます。 非常に読みやすいのでさらりと読めてしまう内容ですが 祈りの意味を考える上で大切なヒントをくれる本だと思います。
瞑想をされている方 瞑想とはと考えている方にもよいヒントが見つかると思いますよ。
ロザリオの祈り方を紹介する本の決定版
★★★★★
「”再”入門」と題にありますが、もちろん初心者でも大丈夫です。(私はこの本でロザリオ入門を果たしました。)ロザリオの歴史から始まって、祈る際の具体的な方法を詳しく説明してくれています。しかも従来のきっちりと型にはまったやり方ではなく、より実践的な方法を勧めてくれます。
ロザリオに親しむために、是非一度ご一読を。