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大河文明の誕生 (長江文明の探求)

価格: ¥2,310
カテゴリ: 単行本
ブランド: 角川書店
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世界的気候変動と長江文明の謎 ★★★☆☆
 本書は、環境考古学の手法などを駆使しつつ、古代文明発生のメカニズムや長江流域における古代文明発生の可能性を論じるものです。
 すなわち、著者は、花粉化石の分析などにより、今から5,700年〜4,500年前に世界的規模の大気候変動が生じたことを明らかにします。そして、そうした変動の中、人類は大河流域への移住を余儀なくされ、その結果として都市文明が誕生したとしています。そして、このプロセスは全世界で同時多発的に生じており、東アジアにおいては、黄河文明の成立よりも早い段階で、長江流域への人口集中により文明が誕生していたと主張しています。
 花粉化石や湖底の年縞等に関する著者の分析は、最新の科学的知見に裏打ちされた極めて実証的なものであり説得力に富んでいます。他方、そうした分析の結果として、何が明らかになったのか、どこまで言えるのか、といった点については、些か主観的な要素が混入している趣があり、割り引いて読むべきかも知れません。
 本書全般については、気候変動の文明に対するインパクト、長江文明が存在したことの論証、環境破壊が文明に及ぼす影響、今後の文明のあり方についての提唱など、多くの問題意識が縺れ合っているような印象を受けました。もう少しポイントを絞って、整理をした方が読みやすくなるのではないでしょうか。
 いずれにせよ、長江流域における古代文明の可能性については研究が緒に就いたばかりです。著者のような新しい手法を用いた実態解明の取組みは、今後の古代文明史の発展に対してたいへんな意味合いを持ち得ると思います。プロジェクトの更なる進展に期待したいと思います。
これは絶対にオススメです! ★★★★☆
 この本を知ったのは、数年前のある講義の参考資料として紹介された事がきっかけです。それまでは、「四大文明」に漠然とした興味を持っていたので、何となく、講義の理解の参考にと読みました。

 しかし、この本は私が思っていたよりもものすごく面白かったのです。古代文明は何故大河に生まれたのか?また東洋と西洋の文明との違いは?……などといった疑問に対する答えや安田喜憲氏の主張は、ものすごく納得させられる内容であったし、また「環境考古学」という新しい分野を知り、目からウロコが落ちるような思いでした。

 数年経った今でも、この本が私の原点だと思っています。この本との出会いがなかったら、今の私はいなかったのでしょうから。

 ぜひ、一般の方だけでなく、歴史を研究する人々もだまされたと思って読んでみて下さい。