文献調査のコツを平易かつコンパクトに紹介☆
★★★★★
本書は、現役の図書館員である編者が中心となり
文献調査の方法を紹介する著作です。
文献や資料を探す方法の紹介と聞くと、
無味乾燥で、読み物としてはつまらない印象を受けますが
本書は架空の図書館を舞台に、市民から寄せられる疑問と、
それに回答するため図書館員が行う調査―
という物語形式で書かれているため、読みにくさはありません。
紹介される調査方法も、定番の辞書、事典から、
NDL‐OPAC、CiNii
各種の専門書、エッセイ、webサイトなど多岐に及びます。
例としてあげられる質問も
ハイモネア号に関する本、烏帽子の作り方
さらには、一つ目人が住む国など、
ヒネリが効いており調査方法だけでなく
答えそのものが気になるものも多くありました。
個人的には、ある程度コツをつかんできたら
本文を読まずに、まずは自分なりに調査をしてみる
―という読み方をおススメしたいところ。
私もしてみたところ、
似たような経路になったものや
まったく別経路から、同じ答えにたどり着いたもの
ほとんど探せなかったものなどがあり、とても面白かったです。
膨大な資料の中から、必要とする情報を探す方法を
平易かつ実践的に紹介する本書
図書館で働いている方や学生の方に限らず、
一人でも多くの方におススメしたい著作です