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寝ながら学べる構造主義 ((文春新書))

価格: ¥842
カテゴリ: 新書
ブランド: 文藝春秋
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初心者でも読めました ★★★★★
ソシュール、フーコー、バルト、ストロース、そしてラカン・・・。
少なくとも10回は読まなければ理解できないような難解な現代思想史を平易に、コンパクトにまとめたエントリー本。1920年〜30年代の東欧、ロシアを中心として突出した新しい学知の波の中から生まれたのが「構造主義」と言われているが、まったくの素人でも抵抗なく読めるように書かれているからありがたい。

「知性がみずからに課すいちばん大切な仕事は、実は、”答えを出すこと”ではなく、”重要な問いの下にアンダーラインを引くこと”なのだ」そして、自明なものだあらこそ研究するい意味がある」との著者のスタンスに勇気づけられ、再度チャレンジしてみようという気にさせられた。
アメリカ人は肩が凝らないのはなぜか ★★★★★
「アメリカ人は肩が凝らないのはなぜか。」

もちろん、同じ姿勢で長い間作業すれば、世界中の人は誰でも背中から首筋にかけての筋肉が硬直して痛みを感じるのですが、それをどう表現するのかは、それぞれの言語を使う人の世界の捉え方や経験に深く関係してきます。日本人の「肩が凝る」のと同じ症状を英語を語る人は「背中が痛む」I have a pain in the back.というのです。つまり、

「ふつうに母国語を使って暮らしているだけで、私たちはすでにある価値体系の中に取り込まれている」

のです。

ある価値体系に囚われた思考法は、国語の違いだけでなく、どのような「ことばづかい」を選択するのかにも現れます。例えば、中学生の男の子が、ある日思い立って、一人称を「ぼく」から「おれ」に変更したとすると、この「語り口」の変更は彼が自主的に行なったものですが、選ばれた「語り口」そのものは、少年の発明ではなく、ある社会集団がすでに集合的に採用しているものです。その結果、「ぼく」から「おれ」への人称の変化は、ことばづかいみならず、髪型や服装、生活習慣など、「おれ」という一人称に相応しいものに統制する無形の圧力を感じることになります。
最初から、

「エクリチュールとは、書き手がおのれの語法の『自然』を位置づけるべき社会的な場を選び取ることである」

と言われると、何のことやら分かりませんが、男の子の例の後にこの定義を出されると、「エクリチュール」が何となく分かったような気になります。素人である私が、構造主義について学問的な理解ができるとは思いませんが、構造主義的考え方を日常の活動に応用できる程度に理解するための入門書として、素晴らしい本だと評価します。

ときどき、「歴史の法廷に立つ覚悟ができているのか」と発言する人がいますが、このような発言をすること自体、構造主義的には自爆行為なのです。「歴史」という「物差し」をあてがって「歴史的に正しい決断をする人間」と「歴史的に誤りを犯す人間」を峻別するのは、本質的には、自分たちの世界でだけ通用する「物差し」を使って、「自分たち」と「よそもの」を区別しているのと何らかわりがないのですから。
つながっているんだなあ ★★★★★
 今から20年程前、何かの思想誌で、レヴィナスの『逃走について』という著作に出会い、その痒いところに手が届くような翻訳の文体に魅せられました。その翻訳者こそ、この作品の著者と同じ「内田樹」です。
 『寝ながら学べる構造主義』は、「構造主義」の学問的探求を目指す向きには、不満の残る内容でしょうが、哲学や思想の門外漢には、身近で興味をそそられる解釈に満ちています。それは「正しい」「間違い」よりも、「見通しのよさ」といった「発見」があり、それが読み進める愉しさにつながっているからだと思います。
 「人間の本性は『贈与』にある」とは、レヴィ・ストロースの説明でのくだりですが、かつて『逃走について』の翻訳に駆り立てた思想内容や文体から推して、この作品にも、「構造主義」の思想内容を借りて、創造的なるがゆえに弱く脆い人間への暖かいまなざしが表現されていると感じました。互いに「贈与」し合いながら互いの限界を尊重し、「理非曲直」や「優勝劣敗」のレッテルから「逃走し」、互いを原子化して潰し合わず、共に生きる人間社会を目指すために。
 
寝ながら学べませんでした ★★☆☆☆
冒頭のつかみはとても面白い。ただ、「構造主義そのものをやさしく解説するというより、フーコー・バルト・ラカン・レヴィ=ストロースという4人の構造主義思想家について解説した本であったな」というのが読み終えての感想である。冒頭の面白さはどこへ行ってしまったのか、後半へ進むにつれて難解で機械的な説明文になる。

構造主義そものもについてのやさしい解説を読みたいなら、『はじめての構造主義(講談社現代新書/橋爪大三郎)』のほうが解りやすいと思う。
ようやく入口に立つ。 ★★★★☆
敬遠しがちな哲学書だけど、
読みやすいという噂を聞いて、
購読。
確かに、構造主義をかなり平たく、
わかりやすく解説されていて、
これまでよりも身近な気がしなくもない。
ただ、
あまりにも端的にしすぎるきらいもあるかなぁ、と。

特に、
マルクスあたりは、
多少の偏見を感じたりもした。
偏見というより、
あまりにも、サラッとしすぎていたかなぁ。

あとがきにある、
レヴィ=ストロースは要するに「みんな仲良くしようね」と言っており、
バルトは「ことばづかいで人は決まる」と言っており、
ラカンは「大人になれ」と言っており、
フーコーは「わたしはバカが嫌いだ」と言っているのでした。
という一文は言い得て妙。

その端的な表現によって、
構造主義の入口を覗けたことは、
大いに心強かった。