山田風太郎の『甲賀忍法帖』のオマージュ
★★★★☆
『甲賀忍法帖』と効果は全く同じ忍法も出てくるが、
カタカナの科学用語を駆使した理屈が、
現代科学でより詳しくなってるのが読みどころ。
現在の科学知識で山田風太郎が忍法帖をリメイクしたら
こうなるだろうという作品。
不死の忍者も空飛ぶ忍者ももちろん出ます。
本家同様、無茶苦茶な忍法に、
科学的なこじつけを付ける面白さは再現されているが、
忍法帖の枠組みの作品なので、
自分で枠組みを破壊して忍法帖を葬った山田風太郎の
天才性には到達していない。
これの次は、『くのいち忍法帖』のオマージュの『おんな幻法帖』だそうだが、
風太郎の『海鳴り忍法帖』に相当する作品を書けるかに、
正紀の天才性の証明がかかっている。