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数学基礎論入門 (基礎数学シリーズ)

価格: ¥3,570
カテゴリ: 単行本
ブランド: 朝倉書店
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原論文を読むための直接の予習書 ★★★★★
本書は、「はしがき」に記載されているように不完全定理に関するゲーデルの理論についての入門書である。不完全性定理を示す形式的体系として、原論文の体形そのままが採られている。形式的体系に対する超数学的考察の核となる部分は、体系のなかで構成された超数学的なある概念が再び形式的体系の中で再帰的に表現されるという手法である(本書「はしがき」)。この手法の中で中心をなすところが、ある命題を表す論理式の表現可能性と、その否定命題を表す論理式の表現可能性である(ロッサー)。現在、公刊されているゲーデルの不完全定理についての解説書は数多く、中学生にも解るという惹句の書から原論文の日本語訳を掲載した書まで多種多様である。中心をなす表現可能性の手法(ロッサー)を解説してある書は数少ない。市中から入手できるものとして本書が唯一ではなかろうか?表現可能性の証明手続きを経ずして原論文を手にすることがはたして適切な取り組みであろうか?
不完全性定理の学習に、最適 ★★★★★
この本の大きな特徴は、何と言っても、
第一不完全性定理のゲーデルの証明を、
丁寧かつ厳密に紹介しているところであろう。
第二不完全性定理の証明については、アウトラインだけが述べられている。
土台となる論理体系は、高階述語論理である。

特に、理論体系の表現可能性・原始帰納的関数
に関する記述がしっかりしているので、
不完全性定理において、何が本質的なのかが、
読んでいて、把握しやすくなっている。

故・前原昭二先生が、数学基礎論の達人と言われた所以が、
よくわかる名著である。

蛇足:本書と同程度以上に第一・第二不完全性定理を
詳しく紹介している本として、
梅沢敏郎著「記号論理」が挙げられる。
梅沢先生の本での定式化は、本書によるものとは、異なっている。
しかし、第二不完全性定理の証明については、梅沢先生の本のほうが詳しい。
ただ、残念なことに、梅沢先生のこの本は現在は絶版らしい。
ゲーデルの理論を学ぶには最適な本 ★★★★★
私は基礎論を専門としていないので、この本の本当の価値はわからないかもしれないが、この本を読んで、やっとゲーデルが考えていたことがわかったように思う。著者は優れた基礎論の研究者であるが、この本を書くために周到な準備をして、言葉を選びながら書いている。
基礎論を学んでいる友人から薦められて読んだのだが、基礎論の研究者の中でも評価されている本のようだ。
名著復刊 ★★★★★
不完全性定理をゲーデルの原論文に沿いつつも、適宜、初学者向けの解説を挿入するという体裁の本。不完全性定理をしっかり学びたい読者には最適である。間違っても最近出版された文庫本で学び始めようとしないように。
前原氏の名著が復刊されたことを喜びたい。