50年以上前の写真絵本、古典的価値は充分ありますが
★★★★☆
この写真絵本が最初に出たのは1953年。
その頃は写真が非常に先進的で高価な表現手段だったでしょう。
ましてや勝手に動き回る動物を相手に、ここまで表情豊かな
写真を撮るのは大変なことだったと思います。
しかし、今ではデジカメの普及で、誰もが気軽に写真を撮ったり加工したり
できるようになりました。そんな現代からみると、本書の白黒写真が
非常に素朴で古くみえるのは否めないです。
とはいっても動物たちの見せるユーモラスな姿は昔も今も普遍ですね。
世界を見るために旅に出かけたアヒル。ときには海を泳ぎ、
ときにはカメに乗って、めざしたところが動物園。
ん〜、いろいろな動物たちに会うためとはいえ、この展開、ちょっと
作為的ですね。リアルな写真であるが故に、かえってワザとらしさが
気になってしましました。
こんなことを書くとマーガレット・ワイズ・ブラウンのファンに
怒られてしまうかもしれませんが、説明的な文章は不要に感じました。
写真だけでも、読者それぞれに出会いの物語を想起させる力があるのですから。