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Winter in America (Reis)

価格: ¥5,745
カテゴリ: CD
ブランド: Tvt
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黒い吟遊詩人ギルのダークでハートフルな1枚 ★★★★★
アレン・ギンズバーグやジャック・ケルアック等のビートニクスに影響を受けたジャズ詩人のギルが、泥沼化したベトナム戦争や、疲弊した経済、失業、人種差別など、暗い影を落とすアメリカを憂いつつも、時に優しく家へ帰ろう!と語りかけ、時に君は1人じゃない、友が、そして家族が君を愛してるじゃないか!と囁く。

反戦歌と言えば、ジョンレノンの”イマジン”やマービンゲイの”ホワッツ・ゴーイン・オン”が有名だが、このアルバムではギルがリスナーの心に直に語りかけてくる気がするのは私だけだろうか?!時代性からか、全体のトーンが重苦しく暗い雰囲気がするのは仕方ないと思うが、それに余りある同胞へのアメリカへの愛を感じます。

歌詞カードがないので詳細は分からないけど、ジャケットを開くと大きなコラージュ風の絵があって、それがとても暗く悲しい病んだ当時のアメリカの状況を窺えるのです。

ギルの囁くように、話しかけるように歌う声を、引き立たせるような、
ボリュームを絞り気味にし、しかも効果的なエレピの暖かいサウンドが素晴しい。ポエトリーリーディングのような歌い方は、Hip Hopにも影響を与えたのも頷けますし、素晴しい吟遊詩人なのでしょう。5曲目の”The Bottle”はファンキーで有名だと思いますが、私は7曲目”You daddy loves you”の一服の清涼剤的な清々しさが好きです。

キーボード担当の僚友ブライアン・ジャクソンとのコラボアルバムがお奨めですが、当アルバムと”It's your world"が特に素晴しいと思います。他の方も指摘されてましたが、陰と陽という表現がピッタリだと思います。ファンキーなサウンドを期待する人はやめた方がいいでしょう。故に気軽に楽しみたい方は”It's your world"がいいと思います。

最後に個人的な想いを・・・
日常的には聞かないけど、壁に当たり思いつめた時などに聞きたくなるジョンレノンの初期のアルバム群が心に訴えかけてくるフィーリングと、どこか似てるような気がします。普段ヘビロテする事はないけど、人によっては時に重要な役割を担う圧倒的な1枚といえるでしょう。



30年後の答え(応え)は、、、 ★★★★☆
アルバム名にあるWinterは一種のメタファであり、アメリカ自体の、そして自分達(ブラック・ピープル)の置かれている状況を表しているのだそうです(因みに、本作は'73年録音です)。
#詳しくはライナーをご覧ください。
決して全ての物事が”良い”状態ではなかった時代において、同胞へそして世間へメッセージを投げ続けた詩人のシビアな視点(時には優しさもありますが)を提示するポリティカルな作品かと思います。あの”ウォーターゲイト事件”を”H2OGate Blues”と称してトーキングブルース調に演じている[8]に観客も沸きます(これライブ録りですかね?それとも観客の声はSE?)。
しかし”うさん臭さ”や”辛気臭さ”は一切ありません。近年になって[5]辺りの楽曲はダンスフロアでプレーされるなど、本人の窺い知らぬ所で?ウケる訳ですが、G.スコット-ヘロンの訴えたかった本質的な部分?についてもちょっと知っていた方がいいかなぁ、と思ったりします(^^;
無論、これは私自身のお節介であり、G.スコット-ヘロン自身が音楽の楽しみ方(聴き方)を制限する様なことは絶対にないはずです。
(リリース後30年以上経った現在)’We will see you in the spring’というメッセージ(これもライナーにある一文ですが)に応えられる世界になっているでしょうか?
熱くなれない・・・ ★★★☆☆
ほぼ総てがフックに欠けたスローテンポな曲で構成され、他の諸作に見られるような"路地裏のグルーヴ"が欠落している。躍動的な肉体性よりも考える理性を優先したのか?SoulでもFunkでも無くこれは真面目な"Jazz"。ただヘロンの代表曲(5)はフック、グルーヴとも絶品のおいしいジャズファンク。
GIL SCOTT-HERONと言ったらこれ! ★★★★★
BRIAN JACKSONとのコラボレーションアルバム、必聴作!
この二人の名義で出しているアルバムは4枚あるが、その中でも「IT’S YOUR WORLD」
とこのアルバムは絶対に逃がせない。両巨頭である。
向こうが「陽」としたらこっちは「陰」。全体的にしっとりめな感じに仕上がっている。

ネタとしても使われる超名曲「BOTTLE」が収録されているという事だけでも
GETの決め手になるが、私としてはボーナストラック1曲目、ライブバージョンの
表題曲「WINTER IN AMERICA」が聴けるというのが非常に大きいと思う。
他の3曲も全てライブ音源だが、この’82 WASHINGTON DCでの模様は
かなりの完成度の高さだと言ってよい。POETRY READINGの真骨頂が
この1曲に集約されている。年代的には後期に値するが、どんどんと円熟味を増して
いるのがよく分かる。

これを聴いていると、ちょっと寂しい気分になるのは私だけであろうか・・・。