書家である「石川九揚」さんは以前、「二重言語国家・日本」をお書きになり
日本文化論に大きな一石を投じられましたが、この書物はその歴史編です。
日本の民族性の特質を日本語の多様なあり方や重層性を言語・書の視点から
書家ならではの考察により述べられた傾聴に値する一書です。

体を張って実感として日本語・書と格闘している方でなければ著述できない
デスクワークではない日本文化史として発見にあふれる書物です。
我々の持つよく言えば「和」の精神、悪く言うと「あいまいさ」の構造がなぜ
このように形成されたがわかり、また中国にたいしての在り方にも参考になり
ました。

日本語、日本民族、日本の政治、日本の宗教、書道、歴史などに関心のある方は
是非ご一読されることをお勧めいたします。