動物写真家として知られる岩合光昭氏と日出子さん夫妻によるネコの写真絵本です。
岩合さん宅の飼い猫ということもあって、きれいに洗われて真っ白な毛がまぶしい、姿も立派なネコちゃんです。
とはいえ、ペットとしてカワイく媚びている写真ではなくて、岩合さんのネコ写真らしさ、つまり自然なネコの姿が出ている写真が満載です。
蛙をじっと見詰めたり、トンボを眺めたり、落ち葉に埋もれたり、雪の上を歩いたり、ひなたぼっこをしたり（顔だけ日陰に入れていて面白い）、
にゃんきっちゃんの日常の写真が大きく出ています。ネコの姿がかわいいだけでなく生き生きと、堂々としていて、何回眺めても飽きない写真絵本です。

　世の中、子猫を可愛いと思う方は多いと思いますが、私は熟年に達した大きな大きな猫が大好きです。にゃんきっちゃんは、まさに理想の猫。大きくて、ふかふかで、落ち着きがあって、堂々としています。
　岩合さんのお宅では、本に載せる写真を選ぶとき、猫にも参加してもらうんだとか。気にいった写真は上に座って意思表示をするんですって。この子なら、やりそうです。
　とても珍しい、おふろにつかっている（シャンプーをされているとかじゃなくて）写真もあって楽しいです。
　「大きくなったから」という理由で犬や猫を捨てる人がいると聞きますが、年をとって人間と会話ができるようになった猫の魅力がいっぱい詰まったこの本で、そういう心ない人が少しでも減りますように。

にゃんきっちゃんは岩合さんのお宅のネコちゃんだそうです。
どの写真もにゃんきっちゃんの愛らしさが伝わってくる絵(写真)本です。
にゃんきっちゃんはネコですがお宅では【ひとり】として数えられて
人と同じ家族同様の存在です。
本書のにゃんきっちゃんを見ているとどれもイキイキしていて
大人の私も幸せな気持ちになれます。

私には子供がおりませんが核家族化が促進する日本人に欠けているのは
自分より弱い存在の動物などを可愛がる優しい心だと思います。
昨今の低年齢化する凶悪犯罪などが顕著な結果です。
【教育、教育】と詰め込むよりも現代のお母さんたちに岩合さん夫妻の
出版される絵本で幼少の頃から情操教育を！と切に願います。