動物写真の第一人者である岩合氏による新書サイズの写真集。

私はハンドルネームのとおり、柴犬が好きである。
数年前、書店で見つけて、手に取った。

この表紙の柴犬の写真はあきらかに狙っている。ピンと立った柴犬をむかって右斜め下からのアングルであおり気味に撮っており、柴犬のワイルド＆キュートな雰囲気を強調している。
いささか、悪乗りとも思える写真である。
「むっ、アコギな・・・。」と思いつつ、２冊購入。

柴犬をはじめ日本の犬たちを紹介している内容である。私はもちろん、柴犬が好きであるが、日本犬たち（土佐犬以外）は全部好きである。
野生的かつ、愛らしいという絶妙のバランスを持った彼らはまさに日本が世界に誇れる存在。「犬は人類の友」。

岩合さんの写真集はどれも好きですが、岩合日出子さんの文章が一緒だと
特にいいですね。
写真を見て、文章を読んで、深く楽しめる１冊です。

昭和の初期に日本犬を天然記念物に指定し、種の固定をしたそうです。
その際に固定された日本の犬（北海道犬、紀州犬、甲斐犬、川上犬...）の写真と特徴を読み物風にまとめています。
野生動物系写真家の岩合光昭氏が写真を撮り、妻の日出子氏が説明文を記述しています。

写真に癒されながらも日本犬の知識も若干付きますよ。

文庫になっても充分に犬たちの魅力が楽しめました。
日本各地の自然の風景の中で撮られた、犬たちと風景がよくマッチしています。大きいのに可愛い秋田犬、アイヌ犬。野性的な面立ちの四国犬、紀州犬など犬好きには手元に置いておきたい本です。

　1998年に平凡社から出た写真集の文庫化。もともとは雑誌『太陽』に連載されたもの。
　動物写真家として著名な岩合光昭氏が日本犬を撮影し、夫人の岩合日出子氏が簡単な文章を付け加えている。
　柴犬、紀州犬、甲斐犬、北海道犬、四国犬、秋田犬など、日本固有の犬種がひとつずつ取り上げられている。甲斐犬は猟犬としての精悍さ、北海道犬は野生の重厚さと、それぞれの犬種の特徴をきちんと掴んだ写真であり、岩合氏の確かな目と技術を感じさせる。
　ただ、可愛く撮りすぎている嫌いが強く、人によっては気に入らないかも知れない。