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明智左馬助の恋

価格: ¥1,995
カテゴリ: 単行本
ブランド: 日本経済新聞出版社
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ラブストーリーに徹すれば ★★★★☆
『信長の棺』、『秀吉の枷』に続く本能寺の変にまつわる歴史ミステリーの第3弾。
本能寺の変のもう一人の主人公である明智光秀ではなく、その娘婿を主人公に設定している。
光秀の娘と彼の悲恋を描いているかと思いきや、それは前半だけ。後半は、光秀が信長を討ち、さらには自らが討たれ、左馬助らの自決に至るまでを描いている。
初めのラブストーリーの方がよかったな。全編それで通せばよかったのに、後半はそれが薄れてしまい、最後だけ。ちょっと残念。
でも信長の死にまつわる設定は、3篇共通で、本能寺の変をそれぞれの視点で見ることができて、面白い趣向だと思う。
うーん。 ★★★★☆
 敢えてなのかも知れないが、信長を高く評価する歴史解釈や学説等には極力触れず、信長がいかに偏狭で気まぐれな暴君であったかを執拗に描写しているように感じられ、それが些か公平を欠くように思われた。
 また、その他の人物像やエピソードなどに関しても、ある特定の解釈等をさもそれが真実であるかのように描いている箇所が散見され、いくら娯楽小説であるとはいえ、やや強引な印象が否めないようにも感じれらた。
 もっとも、明智左馬助という、これまで脚光を浴びることが少なかった人物を主人公に据え、新たな視点から戦国の動乱期を捉えなおそうという試みは高く評価されて良いと思われ、その点では理屈抜きに楽しめる作品であった。
これぞ文学性高い作品 ★★★★★
第1作 第2作に比べ表題は地味だが
文章の一字一句が実に良く練られて
いる。前2作はドラマ性が強くそれなりの
面白さはあったが 今度の作品は 人間の
心の内面を女性的柔らかさで見事描写して
いる。加藤廣氏はこの作品で押しも押されぬ
文学者となった。
第4作 楽しみです。TOYA
本能寺の変の真相に迫る・最終章 ★★★★☆
前々作は織田方の視点・前作は豊臣方からの視点そして今作はいよいよ首謀者と称される明智方の視点から本能寺の変の真相について描いてきた歴史小説の最終章。
著者の渾身の3部作であろう。
いざ、今作を見てみるといきなり「明智左馬助の恋」というお題目になっている。
(ちなみに左馬助は明智光秀の養子であり、家来であり、かつ娘婿です。)

「???」

一抹の疑問を胸に抱えながら読み進んでまいりますと、なぜこのようなタイトルにされたのか、著者の思いもなんとなく頷けるような気がしました。
きっと、明智光秀という人物像をより客観的に描くには他者の視点が必要だったのでしょう。

光秀を筆頭としたこの明智一族、非常に律儀な性格が有名なのはあなたもご存知かと思いますが、今作を読んでいきますと、律儀もここまでくると何とやら…
ある意味、どうに入っております。

そして、肝心の本能寺の変の明智方の動き。

ここには様々なご意見があるとは思いますが、著者の描かれている明智方の動きは説得力があるように思います。
(これは本能寺の変後、光秀が身内にあてた手紙があるのですが、この手紙の内容を見る限りではとても光秀は・・・、ネタバレはつまらないのでこれ以上は書きません。ちなみにこの手紙はこの本には登場してきませんのであしからず。)

この本能寺の変後、物語りはまだ続きます。
一体、明智一族はどうなってしまうのでしょうか?
それはあなたの目で確かめてください。


ラブストーリーはオジさん達にはつらい? ★★★★☆
いちばん面白い話は、最後の最後に残ってました。
著者が怒ってらっしゃる! 「本能寺の抜け穴」という
着想について、「心ない批判があることは知っている」、
「ならば対案を出せ!」と。三部作が完結するまで、
ジッと耐えてらしたんですねぇ。

かくなる上は、「是非に及ばず」。
印税を投入して、旧本能寺→南蛮寺ルートの発掘調査
を自ら始めるしかありません。

この三作目、てっきり「光秀の・・・」と、くるかと
思いきや、「左馬助の恋」と、はぐらかして恋物語が
延々と続く。 戦国モノ好きには少々つらいかも。

また文中、現代用語がポンポン飛び出す。突然、
「面会謝絶」なんて文字が現れて、大病院の廊下に
立たされてしまう。「遠隔操作」「成果主義人事」
「国内留学」...アレレ。

三部作計4冊、お付き合いしましたが、一作目の骨格
は崩せないため、二作、三作で細部を掘り下げてみても
新味はどうも。『信長の棺』だけで終わったほうが
鮮烈なイメージが温存できて良かったのでは?

「謀叛の真相」「信長の遺体」どちらも永遠の謎?
否!『未来ビジネスを読む』によれば、米国マレット
教授はワームホール理論を根拠に、タイムマシン製作に
取り組んでいるとか。期待しましょう。(笑)

美濃人としては「天皇、仏教、秩序を守るための義挙」と
信じたい。『人国記』も云う。「東美濃は生得のまま
にして木地なり」。「天下取り」が先ではないでしょう。
著者も光秀ひいきで信長嫌いのご様子。が、書『信長の呪い』
では「信長は日本資本主義の開祖」と讃えています。

この三部作。敬服すべきは「転身はかくあるべし」と
著者自ら手本を示したこと。齢は不問。要は用意周到な
プランですね。

次回作は?「妙心寺から天海現る」?マサカ!