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十三の眼 [DVD] COS-037

価格: ¥1,000
カテゴリ: DVD
ブランド: Cosmo Contents
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多羅尾伴内、が主役ではない映画 ★★★☆☆
一般には、「多羅尾伴内シリーズ」として認識されている作品であるが、実は多羅尾伴内は冒頭ほんの少ししか登場しない(しかもさして重要な役、ではない)。おまけに最後の決めセリフ、「ある時は○○、またある時は○○、しかしてその実態は?」のセリフも出てこない。つまり後の東映時代のパターン化された作品ではなく、別個の独立した作品、として鑑賞するのが正しい態度であろう。様々な場面に都合よく変装した千恵蔵が現れ、伏線を張らずに事件を解決するのを「ご都合主義」と解釈するのは自由であるが、本格推理ものを時代劇畑の人間で脚本・出演することの困難さを考えると大目に見なければ、なるまい(GHQの無理解で時代劇を禁止された関係者を慮れば止む無し、とせねばなるまい、大衆は戦後の混乱で娯楽に飢えていた時節柄、である)。むしろ映画に登場するキャバレーや、千恵蔵扮するキザな富豪に、「ああ、当時はこういうものに庶民は憧れていたんだな」と思うことが、翻って(当時の)現実たる闇市の情景と比較して見ることこそ、当時の状況を記録した資料として今日価値のあるもの、なのである。
ところで二か所ほどセリフが途切れているのは例の「差別用語」のせいでしょうか。まぁ、TVの「逃亡者」のナレーションでさえ変えられてしまう御時世ですので止むを得ん、のかもしれませんが、せめてセルソフトくらい完全なものを発売出来ん、もんですかなぁ。娯楽作品だから変えていい、のは理由にならん、と思うのですが。