正直言って、前半はかなりかったるい。主だった登場人物が出そろうまで話の4分の1ほどかかるし、その後も辛気くさい人間ドラマが長々と続く。だが、どうかご辛抱を。表に現われたものとは 180度違う真実が明らかになる、最後のどんでん返しが実に鮮やか。また、単なるエピソードと思われた序盤の一幕が、後に決定的な意味を持つなど、伏線の絶妙さも光る。とにかく読んで絶対に損はしない。くれぐれも途中で投げ出さないように。