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ドナービジネス (新潮文庫)

価格: ¥1
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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推進派が見たがらない現実を暴露。 ★★★★★
池田清彦『脳死臓器移植は正しいか』と、粟屋 剛 『人体部品ビジネス』の両著とぜひ合わせて読んでいただきたい。

欲望の無い所にはニーズは生じない。移植や生殖医療などを行う医師には、ヒロイックな錯覚を以って「求める人がいるから与えるのだ」と言う者がいる。自らを神またはその使徒だとでも本気で思っているのか。
疑われるべきなのは、その自然なニーズとやらが「自然」なものなのか否かだ。

移植医療を語る時、無視されているのは、いわば「社会的なトリアージ」である。
ミクロな幸福追求がマクロな=絶対多数の絶対幸福に繋がらぬ事は有り、その場合は個人の欲望やニーズは制限されねばならぬのだ。地方の為の公共事業が国を現在滅ぼしつつあるのと論理的には同型で、それは世代間倫理・環境倫理的に明らかなことなのだが。

「他人の命を奪っても生き長らえたいというのは卑しい事だが、卑しい事を可能にするシステムのある所で、そう思う者を批判しても仕方がない。真に卑しいのはそういうシステムを作った者である」と池田は言う。移植のそうした側面を分かろうとしない連中に突きつける現実として、本書にかかれた種々の実例は、頭を冷やさせるに十分であると確信する。
感じたこと・・・ ★★★★★
 私は、悪魔を見た。間近に・・・真正面に・・・。
 それは、いつも人間だった・・・。
 最初に与えられた寿命より長く生きたい・・・。それは、人間の欲望なのか?それとも・・・。
 考えさせられます。多分、人間の命がこの世で最も価値があると考えられること・・・この本を読んでるほとんどの人が売る側ではなく、買う側に回れるということ、皮肉を込めて言わせもらえれば 幸せ なのでしょう。
 この文章を書く自分も・・・。
 人間の命は、地球より重い と我々は本当に言えるのでしょうか…。
 本の内容は、他の方がさえた文章力で書いていますのでそちらに譲ります。
命もお金で買うことができる時代 ★★★★★
この本は、第一部「命を売り買いする人々」と第二部「臓器ビジネス最前線」との2部で成り立っており、第一部では腎臓を買ったOLのことなど実際に臓器ビジネスに何らかのかたちでかかわりを持った個人の話、第二部では臓器担保屋といわれる金融業など、臓器ビジネスにはどういった組織がどういったかたちでビジネスを展開しているのかといった話がまとめられてる。

表には現れることはないが世界32都市に拠点を持ち、そのうち米国内の14都市の拠点ではそれぞれが百から百五十の病院、産婦人科、中絶専門の医師、卵子バンクなどと密かに提携し定期的に中絶胎児や凍結受精卵などを回収している臓器マフィア。法律でいくら禁じてもこれほどまでの大組織が生まれてしまう背景には、人間の不老不死や金への欲望がある。

自分や家族が臓器移植をすれば命が助かるという状況になったらどうするであろうか?そんなに高いお金を払ってまでいき続けたいとは思わない!?では値段が手ごろだったら?とか倫理的にそれは許せないとか人それぞれ考えはあると思う。しかしながら、われわれ人類はすでに古い倫理観では許されない方向に進みだしていることは自覚しておかなければならないようである。

日栄社員脅迫事件、胎児誘拐事件@南米、暴力団の病院経営 ★★★★★
日栄の社員が借金返済催促の電話で臓器を売れと脅した事件があった。
南米だったと思うが、妊婦を誘拐して、帝王切開後胎児をさらったという事件があった。
最近、暴力団がしきりに病院経営に乗り出している。

この本を読むと、一見脈絡のないこれらの話の背景になにがあるのか見えてくる気がする。

臓器のドナーにされる人、臓器のために殺害される人、臓器移植を受ける人.....

医術の進歩によって新鮮な臓器が多大な価値を持つようになり、そのために人身売買(臓器売買)が復活する。臓器売買は明らかに非道徳的である。とはいえ、臓器移植によって救われる人達がいるのは事実であるから、臓器移植自体は善と言ってよいであろう。非道徳的、ときには明らかな犯罪行為によって支えられる善。善だけを肯定し、非道徳な部分は違法とするために、無償のドナーという偽善を持ち出したところでうまく機能するはずもない。
では、どうすればいいのか?

大変気が重くなる本である。とはいえ、避けて通れない本であろう。

人間の命は安いのか? ★★★★☆
 いつものように、一橋 文哉さんの本を読んだあとは、何故かぞくりとするような感触に襲われます。

 特にこの本は、現実にありえることだろうか?と、考えるよりも、人間としてこのような現実は認めたくない!!と考える人のほうが多いと思います。

 でも現実として、この本のようなことが行われている可能性は、極めて高いと思います。確かに、日本という、比較的貧富の差が少ない国に生まれている私たちは、そんな臓器売買がなされているとは認めたくないです。

 しかし、明日の食事にも困っている健康体の人間がいて、一方ではお金があるけれども、臓器の一部分が不自由なせいで苦しんでいる人間がいるのは事実です。

 そうなったとき、明日の食事にも困っている人がどのような行動を取るのでしょうか?

 しかもそれを、仲介する業者がいたらどうでしょうか?

 自分が、明日の食事が欲しくって、臓器を売っても良いと思う人がいる可能性は少なくないと思います。

 ましてや、それをビジネスとして考えたら、こんなおいしいビジネスはないでしょう。

 いくら金を出してもいいという買い手がいて、いくらでもいいから売りたいという売り手がいる市場があれば、この本に載っているようなこともおかしくないと思います。

 人間であることは幸せなんでしょうか?少なくとも、私は明日の食事に困らないように生まれたことに感謝しつつ、この本によって、人間の欲求の恐ろしさに戦慄を感じました。