忘れていませんか?「生きてるだけで丸儲け」
★★★★☆
社会が豊かで平和になるとついつい人は傲慢になり、
当たり前のいろんなことを忘れてしまうもの。
例えば、国が自分を守ってくれると勘違いしてしまう。
社会保障の制度一つを考えても、税金を払っている
のだから、守ってもらって当たり前と考えてしまう。
でも、それらは根本解決でも現実的でもないことは、
改めてじっくり考えると納得できるはず。
更に当たり前だけれども忘れていることとして、
「生きているだけで価値がある」
まずは「生きてみな」と著者は語りかける。
プラス思考や楽観論ではありませんが、
戦争を生き抜き、うつ病をも克服してきた著者から
淡々と語られるメッセージには人それぞれに何か
ヒントになるものがあるはずです。
社会が躁の状態で無い時には「期待しないで生きる」
という覚悟はずいぶんと参考になるように思います。
安く読めるのが良い
★★★★☆
マイナスからの発想とも言える五木さんの考え方は、ああ、そうかというように納得出来る部分が多い。とくにコンプレックスを抱えてる私のような者には、リラックスできる共感性もあり、なにか肩の力が抜けるホッとしたものを感じる。自身の体験から述べているせいか、押しつけがましさもなく、難しい言葉も使ってなくて、語り口調で読み安いのも良い。
最近、五木さんの本といえば書いてある内容が大体分かってきたので、正直、新刊本として買う程ではないなと思ってきたが、本書のように文庫本サイズとして廉価で読めるのは嬉しい。実はこっそり持って、時々読みかえしたいというような本なのだ。
気持ちが軽くなる
★★★★★
諦めるわけでもなく、
我慢するわけでもない。
受け入れる覚悟をする。
心の重しが取れたように、
ふっと気持ちが軽くなりました。
また時間をおいて読んでみたいです。
保険証を破る覚悟はできているのか
★★☆☆☆
最初から最後まで「諦めろ〜、諦めろ〜」という鬱々とした文章が続く。よくもここまでいろいろなジャンルから拾ってこれるものだ。著者の博識ぶりにはさすがとしか言いようがない。しかし、国が頼りにならない、何も頼りにならないというのはいささか単純で特に若い人はあまりまともに受けとるべきではないだろう。著者に聞いてみたいが、そこまで国が信じられないなら保険証を破ってみたらどうだろう。多分無理なのではないだろうか。国が何もしてくれない覚悟などそう簡単にできるものではない。
どうしようもない感覚
★★★★★
本書で出てくるトスカ(憂愁)の知恵がとても深い。人間はどうしようもなく憂鬱で無気力になる時がある。そういう時には何もするなという知恵。
生まれてこのかた、今まで何とかなってきたから実感ありませんが、何ともならない時は確かにあるもんだなと。(無意識的に何とかならない事を受け入れてる事に気付いていないだけかもしませんが)
電車が来る度に後1歩踏み込んだら死ねる。
前方に一人だけいる夜道、後ろから襲いかかったらどうなるか?
表面的には不満も悲観もないのに無意識的によぎります。
その度に社会は相互信頼で初めて成り立っていると自覚するわけですが。
あのどうしようもない衝動がトスカなんですかね?