「サイレントラブ」はそこに疑問を投げかけている。この本はポリネシアンセックスを恋人同士の会話と幻想的な写真によって表現した大人の為の美しい絵本だ。女性向きな感じだが、男性にこそ読んでもらいたいと思う。イカなければ損と考える経済至上主義的な日本男児の性と、イッたふりが義務である日本女性の性。それは悲劇である。ポリネシアンセックスが現代日本の性愛を少しずつ変えていると私は信じたい。
ポリネシアンセックスは単なる性のマニュアルではない。また非現実的、神秘主義的であるかもしれない。しかし性と愛をつなぐ方法に科学的根拠などいらない。現代は神秘を科学によって情け容赦なく切り捨ててきた。それは恐ろしい空虚感をもたらしてしまったはずだ。恋人同士の体と心が溶け合うような性。なんと美しいのだろう!
また、ポリネシアンセックスについてさらに理解するために、種本である「エロスと精気」をおすすめしたい。筆者のジェームズ・パウエル氏はポリネシアンセックスをおこなうには瞑想により心身のバランスを整えることが非常に重要だと書いている。多分「ドク」のモデルは彼だろう。
こんなに静かに性について語り合え、実践し合えるのだろうかと、目からウロコの本でした。男性に多く読んでもらいたいと思います。