ライブ収録2曲を含むものの、その他は殆ど打ち込みという、とんでもなく遠大で緻密な作業の末に完成したと思われる、95年初出の畑亜貴さんの初CD(「世界なんて終わりなさい」は96年。ただ楽曲は「棺桶島」より前に書かれたものになる)。時期的は当時さかんに行われていた「あきぶれ」という、畑亜貴さんのバンド"AKI BLAME AKI"のライブ活動最盛期と重なります。ライブではステージの大音響で霞んでしまうことの多かった亜貴さんの声も(当時の話。最前列でもまるで聞こえないこともあったなぁ・笑)、このアルバムだとクリアに聞こえます。
今でこそマウスボタン一発で好きなだけ買えるアルバムですが、当時は往復3万円の新幹線代をかけて新宿DiskUnionくんだりまで出かけなければならなかったというプログレマニア羨望の超絶的レアモノだった(笑)
破滅度は「世界なんておわりなさい」ほど深刻ではないから、まずこれから畑亜貴世界に入っていくのがいいかも。ALI PROJECTにもっと夢野久作的な深みがあったらなぁ、と思ってる場合は試してみると吉。
谷山浩子風失恋ソングに惹かれるヒトにも激しくお薦め。ただ、谷山ファンには日本語が「言葉」としていかに美しく響くか、といったことに強烈に力点を置いているヒトもいるので、そんな場合は、ちょっとだけお薦めと言っておこう(笑)。