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正義の正体

価格: ¥1,575
カテゴリ: 単行本
ブランド: 集英社
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正義とは何なのか ★★★★★
元検察官と元外交官の対談です。ご存知のように2人とも東京地検特捜部に逮捕起訴された共通の経験があります。特捜検事に取り調べを受けたり、拘置所に拘留された経験があります。その2人が、検察庁や外務省の体質・実像について赤裸々に語っています。国家とは何か、体制側権力の性質などについて、浮き彫りになっていると思います。正義とは、真の正義というものとは、別に、体制側の正義に過ぎない場合も多いということがわかり、怖さを感じました。大変中味が濃く、面白い本だと思いました。
元体制側の人間による体制批判。純粋に楽しめる。 ★★★★★
二人とも(異端の存在とは言え)検察・外務省と言う国家の体制側にいながら
最終的に国策逮捕されてしまった、と言う似た境遇の二人による対談集。

検察のトップ「赤レンガ組」の無能さや、外務省のいい加減さが良く分かる。
それと二人とも(田中氏は岡山大学、佐藤氏は同志社大学)官僚機構の中では
”二流”大学の出であるからこそ、いわゆる記憶力だけに優れた試験秀才が
牛耳っている日本の官僚機構の危なさを説いている。

学歴と仕事上の実力が必ずしも一致しない事は、ある程度社会で仕事をした人なら
誰もが痛感するはずの事なので、読んでいて非常に分かり易かった。

それと、やはり佐藤優の得体の知れなさと言うか、奥の深さには戦慄を覚えた。
田中氏が普通の人に見えてしまうくらい(笑)。
純粋に読み物として面白い ★★★★☆
佐藤氏、田中氏ともに非常に明晰な頭脳を持っていることと、外交官や検事としての実力は抜群であったことが
本書を読むだけでもひしひしと感じさせる。
また、だからこそ国策捜査に巻き込まれたのだろうとも感じさせられる。

自分たちが受けた捜査の話、検察内部の話や外交の深い闇、外交官の蓄財の話なども面白いが、二人の獄中(拘置所内)
での生活について語られているところも非常に興味深い。
これほど観察力高く、かつ冷静な視点で語られている拘置所内の生活はあまり無いのではなだろうか。
体制側にいた人間の裏話が興味深い ★★★☆☆
佐藤優と田中森一の対談本。2人とも、国に尽くした結果、国家によって裏切られたにもかかわらず、今でもなお、体制側の視点で語っているのが面白かった。

検察の裏話がいろいろ散りばめられており、興味が尽きない。裁判においては物証はそれほど重要ではなく、検察の作った供述調書だけで、審理が行われる。また検事から控訴されないのが裁判官の考査基準となっている。たとえば懲役3年の求刑に対し減刑するとしても、半分の1年6ヶ月に2ヶ月をプラスして、懲役1年8ヶ月とする。そうすれば検察は控訴してこないという、暗黙のルールがある。

検事といえどもお役人、自己保身のために内部情報をリークすることも、まま、ある。日本には、政治犯罪という罪がないので、政治犯罪者を扱う場合には、経済事件にむりやり転換して、逮捕、起訴を行うという。

佐藤氏が、業務を遂行するにあたって、お金で解決できない問題は、全体の約2%に過ぎなかったという。また、先に体制側に視点で語っていると書いたが、やはり暴力団やヤクザは必要悪として、時の政治家と密着して存在するというのがこの本で再確認できた。

さらに佐藤氏が諜報活動を行うにあたっての、情報提供者へのお金の渡し方は、なるほどと思った。良い情報、悪い情報というふうに判断して、それにのっとって金を払うと、ガセネタをつかまされる。いつも同じ金額を渡していると、情報が粗くなる。一番いいのは、良い情報には「ありがとう」と礼だけ述べて、情報提供者の誕生日とかの記念日に、まとめてポンとお金を渡すことだという。こうすれば「友情」をベースにして付き合っていると相手が認識してくれ、良い情報も集まるという。

最後に司法試験に受かるには、外務省に入るには、どういう勉強をしたらいいかという対談が載っている。外務省に関しては東大教養学部の国際関係論を学んだ人たちが、入省後もよく伸びるという。それと私大の外国語学科出身もいいらしい。

とりあえず、スラスラ読めて、退屈しない。雑学的な知識が得られる本だったと思う。
『反転』、『国家の罠』の解説本。 ★★★★★
 本書は、両者の代表作たる著作のダイジェスト本と言うか、対談形式で分かりやすくした解説書様の本である。

 検察によってどう事件が捜査され、またもみ消されるか、外務省の上から下までズブズブの裏金の実態、ヤクザやマフィアの社会的に果たしてきた役割など、裏社会好きには大変興味深い内容となっている。
 また、冤罪についても、被疑者のあやふやな証言を、どう検察仕立ての骨組みに論理的に矛盾のないよう肉付けし,検面調書を作成するのかが説明されており、冤罪作りの構造についての理解を深めることができた。

 ヤメ検である田中氏のように、「所詮検事も判事も三権分立としての独立した司法ではありえず、行政の一部としての司法部門でしかない」と、まともに公言した人を私は知らない。
 佐藤氏もまた然り。
 外交官とは広義のスパイであり、その役目を充分に果たしてきたと思われる氏の、ダイナミックなソ連・ロシアの政治家の人間像を読むと、日本の世襲政治屋やがり勉で国家一種受験にのめりこんできた官僚に太刀打ちできる相手ではなく、日本の弱腰外交姿勢に得心する。
 それにしても、小渕元首相の評価の高さには驚いた。
 気配りの人であることは知ってはいても、官僚も恐れおののく程人をこき使い、人心掌握の術を心得ていたとは。

 人は分かりやすい“正義”を求めるが故に容易に操作されてしまう。
 複雑な現実を見据えるためにも、本書で話された内容が人口に膾炙し、マスメディアも読者の期待に応え、それを上回る事実を書かねばならぬようにさせねばなるまい。
 “悪”のレッテルを張られた人たちの反撃こそが、表面上の報道を覆し、真実を炙り出す効果を持つ、と心したい。