いやー、懐かしい……けど、今聴いても新鮮ですなー。ちょっとミックスがおとなしい―あまり楽器の音が前面に出てない―気もしますが、ダイナミックかつ繊細な宙明サウンドの世界を堪能できる1枚。オンエア当時は、このアルバムの他、BGMをバックにした5人のナレーションもふんだんに収録している『ヒット曲集』―いわゆる“ソング・コレクション”―も発売され、このアルバムにも、その『ヒット曲集』収録曲のインスト版がけっこう収められているので、本当はそちらも合わせてCD化して欲しかったです。まぁ何にしても、これを流していると、(高校のアニ研の先輩が買ってきた)このアルバムのLPをカセットに落としたやつをヘビー・ローテーションで流しながら、文化祭で上映するスライドアニメ(OHPを使って静止画を投影する…)の仕上げにみんなで精を出していた、80年の夏を思い出します。
ところでこの、クールで熱いOP、そしてイントロにおけるブラスとストリングスのコンビネーションが激燃え!なEDを歌っている成田賢さんは、もともとビーバーズというGSからニューロック系に進んだ実力派ヴォーカリストで、『デンジマン』以外では79年版『サイボーグ009』のOP「誰がために」が有名ですが、ヒーローものの歌はこの2作品ぐらいで、もっと歌って欲しかった人ではありますが、80年代初頭に出たGS検証本のインタビューの中で、『デンジマン』などの仕事のことを、かなり自嘲的というか、自虐的に語っておられ、心のどこかでこういった仕事に対して割り切れない部分があったものと思われ、そのあたり、仕方がなかったのかもしれませんね……。
ちなみに、EDのイントロでのボコーダーの声は“ボンボンボンバラグーバ”、と歌っているそうです。