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日本フォーク私的大全 (ちくま文庫)

価格: ¥945
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
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シーンの真ん中にいた人だから書けた書 ★★★★☆
フォークシーンの中にいた著者だからこそ書けた書です。フォークシンガー達との当時の思い出を思い入れタップリに描いています。それこそ普段聞いているジャンルじゃないので、登場しているフォークシンガー達の音源を聴いたことも無い人も多数います。でも熱気を感じることができます。それこそその時代の最先端の音楽を作り出していた人々とのストレンジ・デイズの記録です。70年代という年代理解にも必読ですし、日本のロックを研究すにも必読の書です。それこそ当事者がそのシーンを解説する書なんてめったに無いのですから。
フォークとフォーク・ソングの違い ★★★★★
最近になってURCとエレックを比較する企画が
専門誌でありました。わかっていたつもりの同
時代の人間でも感心しきりです。
でもって、両方フォークです。硬軟の違いは
ありますが、自主独立フォークレーベルです。
キングや東芝などの大手も、フォークレーベルを
立ち上げました。そこには、フォークもありますが
フォーク・ソングも混在しています。感心がある皆さん
この本を読んで、真のフォークについて学びましょう。
フォークのイメージって世代で微妙に異なるんですね ★★★☆☆
 1962年生まれの私にとって、フォークといと、吉田拓郎 井上揚水 かぐや姫等のこの本で云うところの“商業ベースに乗った”とされるもの、個々人の等身大を扱った内容をうたい、自分でギター弾いて歌えるものをさします。この本の話の中心のフォークは、URCやエレック または労音に関わった人々で、当時フォークや演劇にあった形態の、まず思想やムーブメントありきのものですので、我々の年代では、ピンとこない部分もあります。
 この本でとりあげられているのは、高石ともや 岡林信康 五つの赤い風船 高田渡 遠藤賢司 加川良 三上寛 斉藤哲夫 吉田拓郎 武蔵野たんぽぽ団 RCサクセション 泉谷しげる もんたよしのり 友川かずき 井上揚水 なぎら健壱の章からなり、各人の中にそれ以外の関わったフォークシンガーのエピソードなどが、ちりばめられています。
 やはり、この時代の人は、“伝えたいこと”が先行し、音というものに あまりこだわりを持っていなかったのか?と考えてしまう話がいくつか登場します。当時の話でレコーディング完璧主義の井上揚水も、ステージ本番で切れたギターの弦を無言で張替えとチューニングに費やしステージが中断される話など、演出構成上今では想像すらできない話もあり、こぼれ話としては面白いと思いいます。
 私的大全ですので、その人の作品の解説やその人物が当時どういう志向性を持っていたかなどは、あまりかかれていませんので、フォークというものを真剣に研究しようというひとより、余裕をもって当時を振り返り、楽しみたい人向けの本だと思います。著者なぎら氏の文体は、あまりくだけてなく、どちらかというと固めの文体で、意外な印象を受けました。
  
面白い読み物であると同時に貴重な資料 ★★★★☆
当時のフォークブームを、一人のファンであり、ミュージシャンの友人であり、さらに自身もフォーク歌手である著者が、驚くべき記憶力とメモやスクラップなどによって綴った記録。

メッセージソングとしての色合いが強かった日本のフォークが、歌謡曲やニューミュージックへと変貌を遂げて行く様子が、各ミュージシャンのエピソードと共に語られていく。
中津川フォークジャンボリーでの事件など、日本の音楽史の中でも重要な出来事が、現場にいた当事者の視点で書かていれるのは、本当に興味深い。

今はバラエティタレントとしての活動の方が有名になってしまった感のある著者だが、これを読むと、まだまだフォークという音楽ジャンルに対して「懐かしさ」だけではない熱い情熱を持っている事が分かる。

やはり本職の作家ではないので、スムーズに読み難い部分があるのは難点かな。
高田渡の逝去の方に接して ★★★★★
 2005年4月16日、高田渡さんが56歳で逝去した。6歳年下の僕は、兄を亡くしたようなショックで、レビューを書いたが送信ミスしたみたいなので、もう一度。

 まず、他のレビュワーのレビューをみていると、なぎら健壱がフォーク歌手だったのか・・・?なんて書かれると、同世代としては、不思議な感慨にとらわれる。

 日本で「フォーク」という音楽ジャンルを語る場合、例えばアメリカのPPMの「フォークソング」とは異なるし、フォークルの「帰ってきた酔っ払い」とも異なる。S&Gの「フォークロック」とも異なる。
 吉田拓郎やかぐや姫とも異なる。
 ものすごく特殊な音楽分野であったと思う。

 この本は、その点を、実に的確に表現している。
 ただ、唯一欠点を指摘させてもらえば、例えば、同世代人としては、「常識」の「中津川フォークジャンボリー」で何があったかなんていうのは、昭和40年代に少なくとも中学生になっていなければ、理解不能な異次元のことだと思う。

 それはそれとして、おそらく若い世代には、半分は理解不能な話かもしれないけど、この本に出てくるアーティストに触れて、今の日本の音楽シーンの背景にマイナーであるけれども、確固した日本独特の「フォーク」という音楽ジャンルがあったということをお分かりいただけると思う。そこから、100人に一人でもCDを買ってくれるのであれば、著者は、今やお笑いタレントみたいにあつかわれているようだけれど、本望であろう。

 もう一度、高田渡に合掌。