セカンド・ラインを生かしたアレンジ、冬の寒さをカナダまで吹き飛ばしそうな元気のいいホーン・セクションが目白押しのコニックの最新作は、「Frosty The Snowman」、「Blue Christmas」、「Santa Claus Is Coming to Town」等々、アップビートなスタンダードのカバーが中心だ。ほとんどはスウィング感が強調されているが、聖歌は敬けんに歌い上げられており、コニックがより世俗的なラブ・バラードで聴かせるおなじみの歌声がうまくハマっている。驚かされるのは、「Silver Bells」の奇抜なアレンジだ。まるでヘンリー・マンシーニがアクション映画のために書いたスコアのようなサウンドである。コニックのオリジナルも4曲収録されているが、カバーの水準には及ばない。ただし、カントリー・シンガーのジョージ・ジョーンズとデュエットした「Nothin' New For the New Year」は例外で、新旧の才人の奇妙な顔合わせが興味深く、楽曲と演奏に2人の偉大なスタイリストのインスピレーションが感じられる。
1枚目のクリスマス・アルバム『When My Heart Finds Christmas』に収められていた「I Pray on Christmas」ほどの生命力を持つトラックはないが、ファンにとっては、愛情たっぷりのニューオリンズ風メリー・ハリー・クリスマスと言えそうな内容だ。(Martin Keller, Amazon.com)