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落合正勝 私の愛するモノ、こだわるモノ。

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: 世界文化社
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筆誅はこれを最後に・・・ ★☆☆☆☆
筆者は落合サンの著作に対しあらん限りの筆誅を加えてきた。
本書を最後にしたい。と言うよりも、もうすでに流行遅れになってしまっているから今更ながらの感もあるが、やはり業界の尻馬に乗って騒ぎ立てるような論調には釘を刺しておかねばならない。
落合サンがご活躍なされていたころはユーロが徐々に価値を高め始めたころだ。今のファッション界を見回してみたらどうだろうか?ヨーロッパの老舗ブランドから新興ブランドまであらゆるものが日本にいながら手に入るようになった。これはこれで落合サンの功績でもあるだろう。
だが業界ベッタリの権力に迎合した自称ジャーナリストでは提灯記事と揶揄されても仕方がないだろう。
業界の茶坊主よろしく自らが広告塔となってセンスすらも感じられない着こなしを見せつけられることがなくなったことに、せめて感謝の意を表したい。
紳士のための教科書 ★★★★★
落合先生の書籍は、『クラシコイタリア礼賛』から読ませてもらっています。

ときどき勘違いされている方もいるようですが、落合先生は外国礼賛一辺倒などでは決してなく、日本独自のスーツスタイルを模索し、その必要性を説かれていました。ご自身はちゃきちゃきの江戸っ子ですし。

あらためてご冥福をお祈りしつつ、★5つで。
興味そそる内容 ★★★★☆
初めて落合さんの本を読ませてもらったが、すごく古い歴史から掘り下げて詳しく解説してあるのには脱帽しましたが、あまり歴史に興味のない人にとっては退屈な部分もある。
よく研究されていて、なぜ紳士はこの服や小物を用いるのかがよく分かる。
上質とは何かということが改めて思い知らされる内容でした。
服飾産業に翻弄された人生。 ★☆☆☆☆
落合サンの最後の著書(生前のレオンの連載を集めたものだが)となる本書にも筆誅をくわえなくてはならないとは筆者も不本意ではあるが・・・
ジャパンタイムス退職後になぜ服飾評論家になろうと思ったのか?ただ単にファッション関係が好きだったのかどうかはいまだ不明であるが、素人がひょーろん家になろうと思ったらその分野なりプロダクトを自分で試してみるなり開拓してみるなりするしかないのである。
筆者は、落合サンに対しその一点に関してのみだがジャーナリストとしての資質を問う上でも尊厳に値するとおもう。服へのこだわりや造詣から見せる性格であればジャパンタイムスにいてもそれなりに功成り名を遂げるのではなかったか?
しかし・・・クラシコ・イタリアが良いだの、アルマーニは最高だのと高級と聞けば分別なく褒めまくるその姿勢にはまったくの所辟易する。
副題では「What is elegance?」となっているが、表紙の御大ははたしてエレガンスか?どうみても「高そうな着物が高そうな椅子に座っているだけ」にしか見えないのは筆者だけではないはずだ。
資本主義の下、大資本の服飾産業にくみ敷かれてしまった晩年の落合サン。
モヘア、キャメル、アルパカ・カシミアくらいで留まりビキューナが護られたことと、銀座に超高級店が出店したことが彼の功績だったのだろうか・・・
本物を知らず逝ってしまったホンモノ志向の落合サンの冥福を祈って。
惜しい人を亡くしました。 ★★★★★
「惜しい人を亡くした」の一言に尽きるだろう。
酒とタバコを好む人のようだったから、咽頭(喉頭)ガンというのは、うなずける話ではあるのだが・・・。

「高価なブランド物ばかりを勧める」「全部そろえたら、いくら金があっても足りない」などと揶揄されることも多かった氏だが、堅い仕事をしている男性のファッションについて、明確な指標を提示した功績は極めて大きい。

90年代後半、私のような中年オヤジは、故・石津謙介氏を始めとしたVAN関係者の後を引き継ぐような、男の衣服についての「先生」を探していた。
そんな渇望状態のさなかに登場したのが落合氏で、「いつまでもトラッドだけじゃ」「でもモード系はちょっと」と感じていた中年男に対して、クラシコ・イタリアを始めとした「ある程度の年齢、立場になった男性のファッション」をきちんと提示してくれたのである。

なお、雑誌メンズEXの誌面で紹介されていた、同誌編集長の追悼文は素晴らしい内容だった。
慎んで御冥福をお祈りしたい。