これまでの児童福祉サービスのあり方は、保護者の弱点、欠点を査定し問題をアセスメントする結果、保護者は指導される立場になり、行政サービスの指示に従わなければ、子どもと一緒に暮らせないというような状況に置かれることが多かった。本書はそのような伝統的な考え方に対するいわば挑戦状であり、保護者が持つ長所、能力に焦点を当て、解決をアセスメントするという、解決志向の理論で保護者に接する方法が紹介されている。あくまでもクライエントが主役で、家族がどのようになりたいのかということに沿って援助をするので、クライエントは主体的に自らの問題に取り組め、自らの回復力に自信が持てるようになるという新しい援助パラダイムである。
そして、どのようにすればそれが児童福祉サービスの組織全体の取り組みとなるかということが、管理職やスパーバイザー向けの心得として書かれている。児童虐待に携わる人、特に児童相談所職員にお勧めの一冊である。中心的訳者自身が、児童相談所職員であったこともあって、訳もとてもこなれていて、実践的な書だ。