これは世界史ですね
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江戸と詠いながらこれは世界史の勉強にもなって大変面白かった。
確かに300年も天下泰平だったのは史上まれなことででしょうが、すばらしく誇っても良いんだと思いました。
でも半島とのいきさつや、明との一説には教科書にないことだったので衝撃でした。
文化の発展に両国が関わっているのですし、元は同一の民族ならばもっと歩みよることが出来ないものかと、現代の問題に照らし合わせると心が痛みます。
江戸ブームだけでなく、史実を踏まえてなおかつ世界観をもって書かれているので非常にためになる一冊です。
吉原が出来たいきさつが男女比からだったとは・・・・。
しかもまだ徳川家が存続していることにも衝撃。まあ織田も松平もそうですけど。現代の百貨店の前身についても項目も納得いきました。
東京も江戸地方者の集まりから始まったというのは面白いですね。
もっと深く知りたくなりました。
日本人であることを誇りに思う一冊
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歴史に疎い私でも、江戸時代は閉鎖的なイメージでしたが、鎖国の時ですらなかなか外交はしっかり行っていた素敵な時代だったんだと改めて知ることができました。また、世界を通して日本を見ることができるので、海外の珍習慣に笑ってしまったり、日本の合理的システムに、なかなか日本ってすごいじゃんとしばしば誇らしげに思うことのできる本です。ウエスタナイズされていく日本社会の中で忘れてはいけない私たちの日本人らしさを、守って行きたいと強く思いました。出会えて幸運だったと思わせてくれるお勧めの一冊です。
嫉妬すら忘れひれ伏したくなる知性
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400年の時間、中でも260年の為政者としての記憶。圧倒的な知性に脱帽である。二代目、三代目は政治家になるなだって?まず馬鹿を排除する方法を考えようじゃないか。初代ではまとえないオーラもあるのだから。
現代の教養書
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一言で言えば、家康を初代としての十八代目当主の著した教養書である。
そもそも、私は、教養というものは、「家」や「財力」のないところには附いて来ないものと思っている。将に「貧すれば窮す。窮すれば鈍す。」てあって、(プライドを保つべき)家格も(まともな高等教育を受けるべき)金もない奴は、所詮、成功しても、ただの「成り上がり」にしかなれない。
この著者は、そんなことは、一言も言っていないが、「徳川家」と言う環境と資産の裏づけによって得たことが容易に推察される「教養」が十二分に伝わって来る。これは、失礼ながら、郵船に入って副社長にまで登ったこと、多くの公職に附かれていることにも現れていると思う。
守るべき「家」も、とうに没落し、残された「資産」もない我々は、どれだけ本を読み、見聞を広げても、付き合う仲間の層も同類項で、趣味や遊びに向けられる資産がないわけで、追いつけないものがあるのである。使い道によっては、湯水のように使うことは無駄ではないのだと思う。
さて、この本であるが、江戸時代を基軸とした世界観・日本観などについてもなかなか読み応えはあるが、このあたりはお殿様の教養の集大成より、引かれた専門書などを読んだ方がよいかもしれない。
この本の素晴らしさは、6章・7章であると思う。
特に第6章の宗教観に係る「日本の宗教と心」
これも、いろいろな方が書かれているテーマではあるが、一神教型と日本の「神仏混交」型との比較。このたかだか20ページ程度の章は、卑近な事例を引きつつ、比較文化人類学を平易に語っている。これぞ、教養の極致と言えるのではないだろうか。
PHPとかでなく、確り、まともな出版社から出すべき本であったのではないだろうか。
もっと見聞をお聞きしたい著者である。
とにかく読みごたえあり!
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文章も平易でユーモアに満ちているのですが、中身はどうして、示唆に富んでいます。
時代劇くらいの知識しかない…という方にも是非読んでいただきたい。