TOKU（馬場督之）は、新潟県出身のフリューゲル・ホーン奏者兼ヴォーカリスト。2000年に『エヴリシング・シー・セッド』で華々しいデビューを飾ったが、本作はそれに続くセカンド作である。
   中音域を使ったメロディックな演奏といい、ソフトな口あたりのヴォーカルといい、なんとなくチェット・ベイカーを思わせる雰囲気をもっている。好きなアーティストはマイルス・ディヴィス、チェット・ベイカー、ドナルド・フェイゲン、アル・ジャロウ、スティーヴィー・ワンダーなどだとか。
   デビュー作もそうだったが、このセカンド作も多彩な選曲で楽しませてくれる。シャーデーの<1>、ジョー・サンプルの<2>（本人はレイラ・ハサウェイの歌でこの曲を知ったという）、アントニオ・カルロス・ジョビンの<9>、スタンダードの<10>と幅広い選曲だ。
   一言でいって、おしゃれでアンニュイなライト・ジャズだ。スティーヴン・スコット、ロイ・エアーズ、バスター・ウィリアムス、グラディ・テイトといった一流のジャズメンがサポートしている点も話題である。（市川正二）