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予言 日支宗教戦争

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: 並木書房
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前半は面白いと思ったが・・・ ★★★☆☆
本書で著者は、日本が近代化以降の自衛のための宗教(倫理)を持つことに失敗しつづけており、
このままでは今後の中国からの精神的、物理的侵略に対抗できないことを警告している。
今後日本人が持つべき簡単な3つの倫理は、他のレビュアーの方の書かれているとおり。
国家が近代国家として丁重に扱われるには、約束を守らなければならないのであり、真珠湾奇襲を
米大統領は事前に知っていた、あるいはわざと奇襲させるように仕向けたなどという陰謀論を一蹴
し、真珠湾攻撃は言い訳のできない愚行であったと結論している。

前半は説得力のある内容となっているが、後半の「老子の兵法」はやや唐突で、なぜ老子(の兵法)
が重要なのか良くわからなかった。またそれ以降の内容(高齢者ニート対策、自宅セキュリティ、
在宅ロビー活動)については、前半部分と切り離して、別の本にすべきような内容だと思う。
脱亜論2.0 ★★★★☆
福澤諭吉が脱亜論を書いたのは、日清戦争以前、
アヘン戦争でめちゃくちゃにされた後、洋務運動や軍備の増強が進んで、
清が「眠れる獅子」と再評価された頃だ。
今の中国の状況と似ているところがある。

福澤は清を、近代化することの出来ない、
我々と同じ道を進むことの出来ない国、と見切っていた。

それから100年ほど時間が流れ、マスコミはすっかり支那に篭絡され、
政治家も信用ならないのが跋扈するに至る。
敵を敵と識別してはいけない、敵を敵と言ってはいけない風潮だ。

時間は過ぎ両国とも体制は変わったが、
両者は同じ価値観を共有できないという基本的な構図は変わらない。

しかも、支那は大国として君臨する野望を隠そうとしない以上、
日本との間で戦争が起こる潜在的な可能性が、最も高い国である。

この本の主題も、脱亜論と同じところにある。
「支那と日本は違う」ということを、
行動はもちろん内面の倫理観も違うことを明らかにすることで、
日本が支那に取り込まれないソフトウェア面での筋道を用意する。

欧米がそれほど信用できるのか?という批判があることも知っている。
確かにアメリカが完全だとはいえないし、ヨーロッパも信用できる相手ではない。
だが、価値観の相違という点からすれば支那よりずっとマシだ。
味方がパーフェクトでないからといって、敵につくことはないはず。

「新しい武士道」に続く日本のエトス論 ★★★★★
 氏が最も強調するのは冒頭の次の3点。
1公人が公的な約束を破ったら恥じよ
2無害な他者・他国に対して不親切な働きかけをするな
3有害な他者・他国からの干渉には必ず反撃の策を講じよ

 これがなければ、著者が世界最大のソフトパワーと危惧するシナ文明の悪癖(人権無視、契約違反、近隣諸国への先制攻撃:つまりは1〜3の逆)に日本が飲み込まれ、没落する危険性を訴えている。なぜなら、日本は過去の歴史的経緯から、自衛権と契約から成り立つ西洋文明を未だに理解できず、1〜3を個人の倫理観として確立していないからだ。

 本の内容は、この結論に至った経緯を述べている。

・シナの儒教に基づく教育勅語及びプロイセン式軍事優先主義による弊害が日本人をして真珠湾攻撃を自存自衛の戦争などと言わしめて恥じない民族にしてしまった。

・明治天皇が布告され、太平洋戦争後に昭和天皇が反復公布した五箇条の御誓文こそが日本の民主主義化と近代化を陛下が御明示なされた意志であり、現憲法が無効であるとの宣言に等しい。

・シナには老子による兵法があり、これに毒された政治家・官僚らが約束を平気で破り、有害な在日外国人・不逞邦人に甘い政策を取り、他国からの干渉・攻撃に反撃できない状態になっている。

・明治の初めに自衛のための宗教論理を確立しようとした運動が新渡戸稲造の「武士道」と慶応義塾の「修身要領」であるが、どちらも政治的に抹殺された。上記ABは兵頭氏が修身要領から、米作農耕民族日本人にそぐわない個人の独立自尊を省いたエッセンスだとのこと。
「誇るべき点」と共に考察すべき「恥ずるべき点」 ★★★★★
自国の歴史を学ぶという態度には、自国についての「誇るべき点」を確認することと共に「恥ずるべき点」をも検証する姿勢が求められるハズであろう。
しかし現在の保守派と呼ばれる層にあっては「誇るべき点」のみが関心の的とはなれ、「恥ずるべき点」に関しては、これを論点に挙げて議論するだけでも一苦労である。
(そもそも良い年をしたオトナに対し、「いい面と共に悪い面も見ましょう」などと呼びかけねばならぬこと自体が異常で恥ずべきことだが)
そのような保守派と議論する際に「恥ずるべき点」を論点としようものならばそれは、「自虐史観」なる用語をもって議論終了のサイレンを鳴らされてしまうことが多く、この態度を思考停止だとは気づかない輩が愛国者と呼ばれている現状は周辺国家をして、得点機会を与えることとなっている。

この度兵頭二十八氏は、パリ不戦条約なる国際法を材料に、真珠湾攻撃に関する国際法違反を指摘した。同氏云われるところの「バカ右翼」の一味である(正確には“一味であった”となるが)愚生は今まで、このパリ不戦条約なる国際的取り決めを思考の外に置きながら戦史を語っていたことに気づいた。
そしてそのような学習態度は母国をして、失点機会とはなれ決して得点機会になることはないということを分からせて頂いた次第である。ゴールネットが揺れていたから「得点した!」と思っていたが、それは自軍ネットであり自殺点と呼ばれる「恥」であったことに気づいたという意味である。

保守派諸氏よ。
ハルノートに激昂するもよし。
陛下の御心「四方の海〜」を音読するもよし。
真珠湾攻撃における若き搭乗員の赤誠を語るもよし。
空母機動部隊のハワイ沖における超人的給油作業を語るもよし。
暗がりを飛び立つ戦闘機・爆撃機の技量を褒めるもよし。

されど同時に「公人」(=日本国の当事者)であると自己を規定する保守派ならば一度、パリ不戦条約に対する考察をしては如何であろうか。

「誇るべき点」を学び「恥ずるべき点」を検証する学習態度こそ、精神年齢12歳との謗りを免れる愛国的態度であろうし、そしてこの態度は決して自虐史観的ものではないはずである。
「なにぃ?真珠湾攻撃は国際法違反だと?キミは国際法を知らぬねぇ(笑)ははは(笑)」
といった「決め付け断定」をすればするほど、国際社会は「日本では読者層すら国際法理解はこの程度か」との思いを強くするであろう・・・

心ある愛国者よ。
本書を学ぶべし、である。


「在宅ロビー活動」は衝撃的!! ★★★★★
新聞を読むだけでは分からない、国際関係の本質的・根源的な部分がクッキリ見えてくる好著だ。暗い夜道を歩いているとき、パッとライトを照らされたような感じだろうか。これはじっくり読む価値がある本だ。

著者は冒頭で公的約束を守ることの重要性を説き、真珠湾攻撃をパリ不戦条約の観点から非難している。保守論客として異端ともいえる視点であるが、読むと納得させられる。
現状を評論するだけの学者が多いなか、本質を見抜き隠された問題を指摘し、保守派にとって耳が痛いことをも納得させる著者の力量に感嘆する。戦前の文献を何千冊も読み込んだ圧倒的な知識の厚みに、本質を見抜く天才的な洞察力が加わっているように思う。

第7章の在郷ロビイスト加藤健氏のインタビューは衝撃だった。「そんな手口があったのか!」と思った。ごく普通の市民が、日本にいながら外国の議員を動かす在宅ロビー活動のノウハウが公開されている。こうした呼びかけは過去例がなく、日本の保守系運動を革命的に変える可能性がある。たいへん具体的で分かりやすく、今日から始められるよう簡潔に説明されていた。

もっとバイブル的に5000円くらいで売り出されてもいいような本だ。久々に知的興奮を味わった。