確かに村上春樹を彷彿とさせる箇所はあるものの、もっとファンタジー色が強く、あまり強くは不条理を感じない。ストーリーは確かに不条理なんだけれど。
「カーネーション、リリー、リリーローズ」のようにちょっと難解な趣のものから「雪の女王と旅して」のような童話風のものまでなかなか楽しめる1冊だと思う。
ただしどの話もちょっとした毒や混沌を含んでいるので、ハッピーエンド、心温まるお話を望む方にはあまりおすすめしない。
終わっても、それはわたしの目から見て終わっただけで、物語世界では登場人物がそのまま、不思議な日常を生活してるんだろうな。
そんな不思議な作品ばかりの本。
読後感も物語の不思議世界に浸ります。不思議世界がこっちに染み出してくる感じ。
バカ売れするタイプの本ではないが、おもしろい本なので、ファンタジーファン以外にも読んでほしい。
などなど、イメージ広がりますよね。
久しぶりのよい小説でした。