面白かったです!
★★★★☆
塔山郁のデビュー作であるこの本は図書館の新刊コーナーで何気なく手にしてパラパラと読み面白そうだったので借りて来ました。
第7回「このミステリーがすごい!」大賞の優秀賞受賞とだけあって、なかなか読みごたえがありました。
モノローグ型の文体で始まりましたが、どんどん明かされて行く真相は興味深かったし意外性もあり最後まで一気に読めました。
デビュー作とは思えない仕上がりで次に出版される本もぜひ読んでみたいと思いました。
構成がとてもよく練られている
★★★★☆
30年前の事件にしては、皆がよく覚えているなあと思ったが、級友がふたりも死んでいるのだから当然かと納得。
それにしても作者はかなり熱を入れてプロットを練ったのだと思う。
残念なのは湊かなえの告白を読んだ直後だったので、類似点が気になってしまった。
作者がマネをしたわけではないのだが、不運としか言いようがない。
ラストの対決場面は私にとっては少し長すぎた気がする。もう少し圧縮できたのでは?
事件自体はそこそこ楽しめた
★★★★☆
小学校の教室で男子児童がクラスメイトを毒殺し、その3日後に犯人の男子児童が自殺した事件が発生してから30年後、再び事件の関係者たちから当時の状況を聞いてまわるところから物語は始まる。前半部分は関係者の証言をもとに事実関係を整理していき、後半部分で一気に事件の核心に迫るストーリーで、特に後半部分は次々に新たな事実が判明し、一気に読んだ。30年もたっているのに事件の詳細を覚えている反面、事件が起きたことに対するクラスメイトの苦悩の様子があまり描かれていないのが気になったが、事件自体はそこそこ楽しめた。
とりあえず
★★★★☆
今年の「このミス」関係の中で一番破綻のないミステリーという気がします。
というより、掴みだけでそれ以降はイマイチというのばかりですが・・・
とりあえず他の作家と同様2作目に期待といったところでしょう。
仕掛けが透けて見えるお粗末さ
★★☆☆☆
第7回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞受賞作品で、巻末の書評からの膨らむ期待を綺麗に裏切るしょぼい作品だった。
著者がミステリーの核だけ思いついたのを、構成を練らずに告白形式で安直に書いてしまっているため、大事な展開を相手に質問させて会話を展開させるので鼻白む。
小学校の同級生がクラスメートを毒殺した30年前の事件を洗い出すにしては、風化もせずトラウマになっているように見えない同級生たち。事件を気にとめている元担任の胸の内も、最初のプロローグに引用されただけで物語での必要性が欠落している。
世間でベストセラーにもなり文学賞を受賞した『告白』湊かなえ著と比較するには、作品の出来上がりとして『告白』には復讐心の煮えたぎる感情が作品に流れていたが、この『毒殺魔の教室』には登場人物の感情が生かされず出番待ちの登場人物たちが透けて見える有様でお粗末でしかない。